古来、人は移ろう季節や自然の姿のなかに時間の流れを見出し、一瞬の美しさに心を動かされてきました。同時に、「いま・ここ」にある瞬間を留め、永遠へと変えたいという願いは、芸術や工芸の創造を支える大きな原動力となってきました。

本展では、「時間の造形」をテーマに、金沢卯辰山工芸工房所蔵の陶芸、漆芸、染、金工、ガラスの5分野から30点あまりの作品をご紹介します。自然の一瞬を捉えたもの、永続や循環への思いを託したもの、焼成や塗り重ねなど制作過程そのものに長い時間を内包するものなど、多彩な作品を通して工芸に宿る「時間」の表現をたどります。