「天有天堂、地有蘇杭」(天には天国があるように、地には蘇州・杭州がある)――中国の江南に位置する杭州(浙江省杭州市)は、実り豊かな豊饒の土地として、また古くより西湖に代表される景勝の地として知られます。一方で、貿易港として海上交通の要衝となり、杭州は国際都市として文化をつなぐ役割を果たしてきました。五代十国時代(10世紀)、杭州を首都とした呉越国は仏教が栄え、呉越国の国王 銭弘叔(せんこうしゅく)が発願した銅製の「銭弘叔八万四千塔」は、呉越国の領土であった地域を除くと日本で最も数多く発見され、僧侶らによる交流の歴史を見ることができます。この展覧会では、呉越文化の伝播とその日本における信仰のあり方について再考するとともに、麗しい国際文化都市 杭州に焦点を当て、平安から鎌倉時代の日本や高麗、大理国など、広く交差した文化の流れをたどります。