歴史を知る手がかりの一つに古文書があります。その内容は、権利や安全を保障する公的なものから、贈り物に対するお礼状など様々で、それらを読み解くことで歴史の一端を知ることができます。
四天王寺においても1400年という長い歴史の中で、数えきれない文書が交わされてきましたが、度重なる災害などにより中世に遡る文書は僅かしか伝来しておりません。本展で紹介する寺蔵の中世文書は、焼失・散逸という憂き目に遭うことなく、奇跡的に伝来した文書です。中でも「四天王寺文書」「秋野坊文書」として括られた文書群は、時の天皇や足利将軍家、織田信長、豊臣秀吉等からの文書を含み、日本史上で貴重な史料といえ、平成12年に大阪市の有形文化財に指定されています。
寺蔵の文書数は僅かながらも、その一つ一つは中世四天王寺の姿を今に伝える力を持っています。今回、四天王寺研究の更なる進展の一助となることを願い、寺内外の中世文書を系統的に再整理いたしました。また豊臣家ゆかりの作品をはじめとする美術工芸品とともに、中世から現代へと、脈々と紡がれる歴史をご堪能ください。