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メイド・イン・すみだ―鳥光桃代と町工場 |
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6/2〜7/1 すみだリバーサイドギャラリー[東京] |
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アサヒビールが若手作家の支援と地元の文化振興をイッキに片づけてしまおうという、一石二鳥のメセナ展だ。墨田区の町工場をリサーチした鳥光桃代が、その成果を映像、サウンド・インスタレーション、ドローイングなどに作品化。いわゆる鳥光桃代らしさ(ってなんだ?)は影をひそめ、今回は優等生的な解を出している。けっこうマジメなんだね。
[6月1日(金) 村田真] |
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上瀬奈緒子展 |
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6/1〜10 立体ギャラリー射手座[京都] |
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初個展なので、欲張ってしまったのか、たくさん作品を展示していて、会場構成はゴチャゴチャしていた。とはいえ、作品は面白かった。2室使っていて、1室めから2室めへ移動するとき、床面に文字が映し出されているのに気付く。「自分の影を踏もうとする人たちへ」と英語で表記されている。通るとセンサーによってカウントされ、正面にある額縁のなかのLEDが数字を刻む。2つの異なるものの対比によって作られる作品が多い。特に印象に残っているのは、枠に張った異なる2つの花模様の布、2つの接する部分は楕円形にそれぞれの柄が一体になった模様を新たにつくり出していた。 [6月1日(金) 原久子] |
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それぞれのフィールドワーク |
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5/12〜6/30 現代美術製作所[東京] |
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今日は芸大生を10人ほど引きつれてギャラリーツアー。すみだリバーサイドギャラリーを再訪したあと、現代芸術製作所へ。オーナーの曽我高明さんから話をうかがう。内外のアーティストや建築家に墨田区内をリサーチしてもらい、それぞれの手法で作品にしてもらったという。あれ?「メイド・イン・すみだ」とコンセプトが似てるぞ。しかも曽我さんは「メイド・イン・すみだ」のキュレーターも務めた人。でも偶然なんだって。
[6月2日(土) 村田真] |
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アートラボ第5回プロスペクト展「R111〜仮想から物質へ」 |
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6/1〜17 スパイラルガーデン[東京] |
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メディア・アート系の展覧会は映像のプロジェクションなどの都合から、必ずといっていいほど暗闇で行なわれる。そんなことは、別にいいんだけど……。昨今、なんだかコンセプトだけが肥大化し、実体験として作品と接した時に、その御大層なコンセプトとやらが、ぜんぜん見えてこないメディア・アート作品が多くて面白く無かったのだが。このR111はその汚名を挽回するような作品だった。自分が作品に関わることで加えた「力」の循環と再生を視覚で確認でき、とても楽しめました。マル。
[6月2日(土) 原久子] |
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界のリズム 石川順惠展 |
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5/29〜6/23 セゾンアートプログラム・ギャラリー[東京] |
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関西では機会がないので、久しぶりに石川順惠の作品を観た。内容そのものは一貫しているが、絵具の使い方など技法的な部分でずい分と変わったのに驚いた。お腹がすいていたせいだろうか、作品からどんどん食べ物を連想していってしまった。作家の意図とは異なるところで享受者が反応してしまい恐縮だ。しかし、これらの作品を再び観ることがあったなら、全く違う印象を持つのかもしれない。
[6月2日(土) 原久子] |
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中ザワヒデキ個展 |
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5/10〜6/2 レントゲンクンストラウム[東京] |
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元素記号を配列した絵画があった。しかし、元素記号をみても、何を表わす記号だったかも思い出せず、名前がわかったところで、どんな色や性質のものかは想像もつかなかったりして、私にとっては作品を目の前にしてもそこから思考を進めてゆくことが難しい。で、すぐに逃避する癖のある私は電子秤のうえの分銅に記された重さを一生懸命足してみた。秤にデジタル表示された重さと合っていた。先月号のartscapeを読んだら、村田さんも同じように足し算していったらしい。個展初日に、ラフォーレ原宿前交差点から表参道交差点までを、ダンサーの黒沢美香が、中ザワがラバン記譜法で書いた方法舞踊作品として歩行したという。この『方法舞踊第一番 (2000-2001)』の譜面は法則を知らなくても楽しめた。パフォーマンスを見逃したのが残念だ。
[6月2日(土) 原久子] |
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若林奮展「オッテルローミストのためのドローイング」 |
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6/2〜10 ギャラリー十玄門[東京] |
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出品されたドローイングには、若林さんが作品をつくってゆくときの思考のプロセスが描かれていて、ひじょうに興味深かった。同じ若林さんのものでドローイングと分類された小作品と出会ったことがある。ドローイングの定義付けはともかくとして、それには売り物=商品としてつくられたものを感じた。もちろん「オッテルローミストのためのドローイング」も商品としての価値のあることには違いはないのだが、純粋に作家の思考が伝わってくる。
[6月2日(土) 原久子] |
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