「テクノ・ランドスケープ」? いかにもありがちなタイトルだ。「世界の新たなテクスチャーへ向けて」というサブタイトルもおざなりで、なにも語ってないに等しい。と、まったく期待しないで隣のオペラシティに行くついでに寄ってみたのだが、これが意外とおもしろいんだな。飯田啓子の「メイド・イン・コンビニ」も、ニコライ・レッケの「四つ葉のクローバーを探して」も、佐藤時啓の「漂白するカメラ[家]プロジェクト」も、曽根裕の「ナイト・バス」も、みんなどこかで見たことあったけど、まさにタイトルどおりの作品なのだ。おそらく新作をつくってもらう余裕がないから、指定した旧作を出してもらったのが正解だったのではないか。作家同士、作品同士の組み合わせも悪くない。
[6月30日(木) 村田真]