市川武史と吉田暁子の2人展なのだが、案内状がすごい。トップに「もの派とBIKYOTO/30年間にわたる戦争を越えての和解と協力」とあり、同展が李禹煥と彦坂尚嘉の共同企画「気体分子アートシリーズ」のひとつであることがわかる。出品作家は顔写真入りで、にんまりこちらに笑いかける暁子は「日本画科出身の画家」のキャプションが入り、スカート姿の市川はまんま「スカートをはいた彫刻家」のキャプションが。このベタな感触はなんだろう。右上には「〈美共闘〉は2001年に『美京党』と改称/『美しい京都を愛する政党』の略称」と書かれているが、そこまでオチャラケていいの?
[6月4日(月) 村田真]
初日の午後に出掛けたのだが、作品は午後6時からのパフォーマンス「混沌への憧れ」によって完成されるということで、未完の状態にしか出会えなかった。壁にお香を突き立てている。お香に紙が巻かれていたのはどうやら吉田の仕業らしい。画廊を縦に横切る2本のワイヤーに載ったスピーカー。市川と吉田がどんなバトルを繰り広げたのか、一部は東京画廊のホームページにも掲載されているが、全貌はその場で時間を共有した人のみぞ知るわけだ。
[6月4日(月) 原久子]