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Exhibition Reviews & Guide ..

島袋道浩展 帰ってきたタコ
6/2〜24 神戸アートビレッジセンター[神戸]、6/9〜24 須磨離宮公園[神戸]
 
 
島袋道浩展
日曜の昼下がり友人とともに、島袋展を観に出かける。須磨離宮公園の西洋式の庭園は手入れが行き届き、そしてすいている。デートにはもってこいだ。海まで見えるというオマケ付(デートじゃないのが残念だ)。サンタクロースの格好で塩屋(神戸市)の海岸に立つ島袋の等身大の写真が目立っている(「南半球のクリスマス」1994)。「旅する喫茶店の物語」(1996〜)、「165mの人魚と旅をしている」(1998〜)といった世界を旅しながら継続している作品も島袋の地元の神戸に帰ってきた。デートじゃないので、ゆっくりもしていられない。新開地のもうひとつの展覧会場へ移動。島袋の1991年からこれまでの10年間の足跡を写真やビデオなどでドキュメント展っぽく構成している。壁紙に使われていたシルクスクリーンのポスターを一枚はがして持って帰りたかったナ。
[6月10日(日) 原久子]
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ドイツにおけるフルクサス 1962-1994
4/26〜6/10 国立国際美術館[大阪]
 
  最終日にすべりこんだ。いつも人出の少ない国際美術館だが、今回はなかなか入りがいいようだった。「フルクサス」というとニューヨークという都市をすぐ連想するのは私だけではないはず。ニューヨークではじまったムーヴメントは世界中に影響を与えていった。この展覧会ではドイツの各地で享受されたフルクサスの30年以上にわたる活動を多角的に紹介している。出品数も多く、サウンド作品などを順にヘッドホーンで聴いてゆくと、全部をみるのにはけっこう時間がかかった。なかなかオシャレな装丁のカタログだったが、早い時期に売りきれてしまったらしく入手できなかった。
[6月10日(日) 原久子]
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オプ・トランス
  6/16〜7/29 KPOキリンプラザ大阪[大阪]
 
 
オプ・トランス
オープニング・パーティなるものに久々に出かける。会場に向かうエレべータのなかのこまかな格子の佐藤勲の作品が展覧会名でもあるオプ(=optical)・トランス(=trance)をまず体験させてくれる。伊東篤宏さんの蛍光灯とサウンドによるパフォーマンスもあった。東恩納さんのレースの布やブラックライトを用いたモワレの作品や、迷彩模様の床など。視覚に刺激を与える作品が揃う。
[6月15日(金) 原久子]
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中崎町実験ファイルその1 -リアルSALONを作れ-
空家再生 PERFORMANCE 改装 GALLERY
  5/2〜7/26 SALON de AManTO 天人[大阪]
 
 
SALON de AManTO
建築写真を撮っている市川かおりさんに誘われて現場を見に行った。大阪のど真ん中でありながら、空襲も免れて戦前から残る昔ながらの下町情緒のある中崎町。10年ほど人が住んでいなかった家を大家さんとかけあってJUNは貸してもらった。建って70年ほどたつ家を、解体からはじめ、JUNは毎日やってきて、パフォーマンスとしてゴミは一切出さずに「再生」させていっている。大工仕事は素人の彼を、見るに見かねて、あるいは気になって、近所のご年配の方達が知恵を授けにやってくる。とうとう隣のアパートで部屋に引きこもりがちになっていたおばあさんまで出てきた。学校帰りの小学生もやってくる。JUNのコンセプトは「公園」だという。公園こそがパブリックな場所で、何をしてもいい所、そこで新しい文化が生まれるんじゃないかと……。
[6月16日(土) 原久子]
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辻恵子展
  5/17〜7/3 プラスマイナスギャラリー[東京]
 
 
辻恵子展
通りがかったので寄ってみたら、これが意外とグー。印刷物から人の形を切り抜くのだが、人物写真をそのまま切り取るのではなく、抽象的なデザインや記号から顔の部分がピンクに、髪の部分が黒か茶色になるように注意深く人の形に切り抜いて、その切り抜きと切り抜かれた印刷物をネガとポジのように並べるのだ。単純なアイディアだが、見事な効果を生み出している。
[6月18日(月) 村田真]
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廣岡千恵展
  6/18〜6/30 信濃橋画廊エプロン[大阪]
 
 
廣岡千恵展
三面の壁に手足と耳がつながったウサギのような絵柄が並んでいる。廣岡のいつものモティーフ“シャンプーハット”だ。白地に黄色く連続してシルクスクリーンで刷っている。床も黄色く設えたせいで、全体が黄色い光に包まれている。シャンプーハット模様はぼんやりみているとシャンプーハットが消えて、ただの格子模様のように見える。光の反射が色として目に認識される。(作品のコンセプトとは関係なかったかもしれないけど)黄色だからということではなく、単色だと、人間は安心して居られないのかもしれない……そんな気がした。
[6月18日(月) 原久子]
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イタリア・ルネサンス展
  3/20〜7/8 国立西洋美術館
 
 
イタリア・ルネサンス展
イタリアから帰ってきて、どうしてももういちど見たくなってしまった。あらためてよくこれだけ集めたもんだと感心する一方で、なにかものたりなさを感じるのも事実。たとえば、ラファエロの「ラ・ヴェラータ」はすばらしいが、同作品を所蔵するピッティの「小椅子の聖母」の足もとにもおよばないし、ティツィアーノの「フローラ」も目玉のひとつだが、同じウフィツィの「ウルビーノのヴィーナス」にはとうていかなわない、といったように、各美術館ともその画家の最高傑作は残しておき、2番目3番目の作品を貸し出しているのだ。例外は「ピエトロ・アレティーノの肖像」だろう。これはピッティにおけるティツィアーノの最高傑作だと思う。
[6月19日(火) 村田真]
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