建築写真を撮っている市川かおりさんに誘われて現場を見に行った。大阪のど真ん中でありながら、空襲も免れて戦前から残る昔ながらの下町情緒のある中崎町。10年ほど人が住んでいなかった家を大家さんとかけあってJUNは貸してもらった。建って70年ほどたつ家を、解体からはじめ、JUNは毎日やってきて、パフォーマンスとしてゴミは一切出さずに「再生」させていっている。大工仕事は素人の彼を、見るに見かねて、あるいは気になって、近所のご年配の方達が知恵を授けにやってくる。とうとう隣のアパートで部屋に引きこもりがちになっていたおばあさんまで出てきた。学校帰りの小学生もやってくる。JUNのコンセプトは「公園」だという。公園こそがパブリックな場所で、何をしてもいい所、そこで新しい文化が生まれるんじゃないかと……。
[6月16日(土) 原久子]