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Exhibition Reviews & Guide ..

椿会2001
4/25〜6/10 資生堂ギャラリー[東京]
 
  辰野登恵子の作品が印象に残った。先月号に村田さんが彼女の個展(西村画廊)について「これほどまでに絵を描こうとしている画家はほかにいるだろうか」と書いていた。多分、村田さんの感じたものと私が感じたものに大きなズレはないと思う。80年代〜90年代に描かれていた作品より、すんなり彼女の描こうとするものが理解できた。
[6月2日(土) 原久子]
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白川昌生展
5/21〜6/2 exhibit LIVE[laiv][東京]
 
  画廊の閉廊時間ぎりぎりに滑り込んだ。狭い空間にたくさんの要素が詰め込んでいるせいか、要素の結び付け方によってさまざまな解釈が生まれる可能性をもつ。それも白川の意図したところなのかもしれない。笑顔で迎えてくださった作家本人と作品について会話を交わす時間がなかったのが心残りだ。
[6月2日(土) 原久子]
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FLAGSHIP 2001- Tour
  6/1〜7/1 フォーラムアートショップ エキジビション・スペース[東京]
 
 
ホワイト・スティーム展
ギャラリー・スペースだけでなくショップのなかにも作品を点在。磯崎有輔、棚田康司、森淳一の3人展だ。磯崎の作品は、これまで観たことのあるものより細かな作業が加えられたせいか、有機的なフォルムの面白さが、工芸的な巧みな仕事ぶりに圧され気味である。3人のバランスを気にしすぎたせいか、作品の存在感が希薄なり、空間の中に妙に溶け込みすぎてしまっていて残念だった気がする。
[6月2日(土) 原久子]

磯崎有輔、棚田康司、森淳一の3人展。東京芸大彫刻科出身という以外あまり共通項のなさそうな3人だが、今回おっと思ったのは、ギャラリーの外のアートショップにまで作品を展示してたこと。そういえば、この春の母袋俊也展ではギャラリーから見える風景を主題にしていたし、もっとこの場所の特性を生かした作品が出てくればおもしろくなるかも。
[6月18日(月) 村田真]
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宇宙空間をデザインした建築家 バックミンスター・フラー展
  6/2〜9/2 神奈川県立近代美術館
 
 
鎌倉まで来たというのに、同行した建築関係者たちが決めたこととはいえ……やっぱり美術館という場所に足を踏み入れてしまった。フラーについては「ジオデシック・ドーム」のことしか知らなかった私は、「ダイマクション・ハウス」、「ダイマクション・バスルーム」などにかなりはまってしまった。おや、ユニット・バスの原型がこんなところにあったとは!てな具合に。テクノロジーを基礎に置いて、環境の中に人が共生してゆくという考え方をすでに50年も60年も前にもっていたのがフラーだなんて、全然知らなかった。なぜ建築屋たちがフラーにそんなに興味をもったのかは、行ってみて納得。
[6月3日(日) 原久子]
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森万里子「ミラクル」
  5/30〜6/30 ギャラリー小柳[東京]
 
 
平面は丸い額に円形プリント、なかのイメージは宇宙かシャボン玉か。立体は円形に敷き詰めた白い粉に、上から数珠つなぎの球体がぶら下がってる。すべて丸、円、玉、球からなる。シャボン玉の図像学か、はたまたバブルの円むすびの神か。
[6月4日(月) 村田真]
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イメージの新様態
  6/4〜16 藍画廊[東京]
 
 
片山雅史と金沢健一の2人展。企画は室井絵里で、藍画廊のあと京都のギャラリーすずきに巡回する。というか、もともとこの「イメージの新様態」はギャラリーすずきが始めた企画展らしい。久しぶりに見る片山の絵はずいぶん変わっていた。まったく変わったといってもいい。だって抽象が具象になったんだもん。いまさら抽象も具象もないけど。金沢の彫刻はまったく変わってない。しかし1点1点は違うのに「まったく変わってない」というのも変だな。結局、変わったのか変わってないのか。
[6月4日(月) 村田真]
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福岡道雄展
  6/1〜27 INAXギャラリー2[東京]
 
 
黒々と磨き上げた樹脂の表面に「何もすることがない」というフレーズをびっしりと刻みつけている。気の遠くなるような作業だ。これで「何もすることがない」とは、まるで「私は嘘つきです」といってるようなパラドクス。一見ローマン・オパウカのタブローを思い起こすが、こちらはもっと彫刻的で工芸的。
[6月4日(月) 村田真]
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