村田 真
原 久子
..
page:1
page:2
page:3
page:4
page:5
page:6
page:7
page:8
page:9
フランク・ロビション展
佐野行徳展
宮下マキ写真展「ハードル」
イメージの新様態XI
名和晃平展
“art in transit”
杉浦隆夫展
SSW 山田うん+丹野賢一
ドゥローイング2001 part 1
フランク・ロビション展
7/2〜14 ギャラリー手[東京]
なんかありふれた風景写真ばっかりだなあと思ったら、どれもみんな強いパースペクティヴが支配している。単純な話、もうこれだけで画面に空間構造が生まれる。でも表現はその先。
[7月6日(金) 村田真]
佐野行徳展
7/2〜7 小野画廊[東京]
前回は機械の部品を思わせる立体だったが、今回は大きな正方形のなかに小さな正方形を描いた版画。共通するのは無骨な表面処理。
[7月6日(金) 村田真]
宮下マキ写真展「ハードル」
7/3〜7/15 prinz the gallery[京都]
写真集『部屋と下着』で知られる宮下マキ。75年生まれの彼女とほぼ同世代の女性たちを自室で下着姿で撮ったものだ。そのモデルの一人の三年以上におよぶ素顔を撮ったドキュメント。さまざまな問題をかかえながらも生きてゆく姿、そして何とか乗り越えてゆこうとする姿をとらえている。
[7月6日(金) 原久子]
イメージの新様態XI
6/26〜7/8 ギャラリーすずき[京都]
すっかりギャラリーすずきの年中行事(?)として定着した『イメージの新様態』展。今回が11回目で室井絵里の企画。片山雅史と金沢健一の2人展。ペインティングや版画作品を一貫して制作してきた片山と、鉄という素材にこだわってつくってきた金沢。今回の片山作品は版画とペインティングの技法を併せて、これまで彼の身近にいた人々の写真が用いて作られている。長く彼の作品を観てきた人にとっては、かなり驚きをもって接することになった(私もビックリ)。初回から通してずっと女性による企画ということになっている『イメージの新様態』展。ギャラリーのオーナーにその真意を尋ねたことはないが、私もその昔、企画させていただいたことがある。この企画がはじまった頃と比べると女性の美術業界でのポジションに変化があったかもしれない……。
[7月6日(金) 原久子]
名和晃平展
7/3〜8 ギャラリーマロニエ[京都]
パネルの上に「描く」という表現が厳密に正しいかどうかわからないが。ボールペンのインクを白いパネルの上でどんどんつなぎ合わせてゆく。細胞を増殖させていったようなディテールだ。
[7月6日(金) 原久子]
“art in transit”
7/7〜7/8 ザ・パレスサイドホテル[京都]
ホテルのリニューアル・オープンを記念して6人のアーティストが、2日間ホテルの部屋に滞在制作し、その翌日から2日間だけ一般公開するという催しがあった。京都御所の向かいにあり、周りを緑に囲まれ、部屋からは隣接する牧師会館や教会が見える。水彩画、写真、色鉛筆やフエルトペンによるドゥローイングなど6人6様。ホテルの部屋はどうも落ち着かず、ベッドに寝転がったり、テレビをつけたりしていたというアーティスト。独りきりが寂しくて、友達に部屋に来てもらったというアーティスト。照明が仕事をするには不向きだったという感想も聞いたが、皆、自宅から遠いところに来たわけではないのに、気分的にこの環境の変化は悪くないものだったようだ。作品は6つの部屋に常設されるようだ。
[7月8日(日) 原久子]
杉浦隆夫展
7/9〜21
Oギャラリーeyes
[大阪]
砂浜に埋まって顔だけを出しているアーティストの写真。ポストカードを見たとき、いったい今度は何をするんだろうか、と楽しみだった。会場のほうでは自宅の庭バージョンだった。庭に円筒形の穴を掘り、またもやアーティストが穴にすっぽり肩まで入り、身体との隙間に土を戻してゆく。頭だけを出して土に埋まっている姿を延々とビデオに写し、土の中から出てくるまでの3時間あまりの映像を流している。何故そんなことをするのか。たとえ衝動にかられても実行をする人はあまりいない。遊びとも、実験ともつかないプロセスをビデオに撮り、画廊で他人にみせる。この一連の行為がアートなのだろう。
[7月9日(月) 原久子]
SSW 山田うん+丹野賢一
7/10〜11 トリイホール[大阪]
2人が短編作品を3本交互に演じた。山田うんって名前は幾度となくフライヤーなどで目にしていたが、実際にダンスを観るのははじめて。例えば、果ては盆踊りまでさまざまなダンスが連続してゆく場面なども、ホントに身体の動きのキレがいい。足立智美のサウンドとの“あうん”の呼吸も素晴らしい。笑いを押し殺してみていたが声を出して笑ってもよかったのだろうか。会場ではだれも声を出して笑う人はいなかった。オーディエンスとしての作法にまだ無知な私はやや戸惑った。丹野賢一は自身のパフォーマンスをダンスとは言っていないと、プロデューサーの大谷氏が紹介した。身体の動きにかかわるものを、細かく分けてゆくこともないだろうと思う。対象的な2人のパフォーマンスだった。
[7月10日(火) 原久子]
ドゥローイング2001 part 1
7/10〜15 ギャラリーそわか[京都]
20歳代の若手作家たちのドゥローイング展。はじめて作品をみるアーティストのほうが多かったが、いずれも個性が異なっていて、展覧会の構成としてもユニークだ。イラストレーションのようタッチのハガキ大の作品は横一列に並んでいるがアニメーションの原画というのか、パラパラ漫画のように動きがついているもの。紙ではなく半透明な樹脂に身体の一部を増殖させていったような物体を、緻密な線で描いてゆく政田武史。茶色いクラフト紙に描かれた中西信洋の象の顔をもつ人は、立つでもなく宙に浮いている。忘れようとしてもどうしても目に焼き付いてしまった1枚だ。
[7月11日(水) 原久子]