2018年06月15日号
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『サブウェイ・アート』

Subway Art

1984年に英国のテームズ・アンド・ハドソン社から出版されたヘンリー・シャルファントとマーサ・クーパーによるグラフィティ勃興期の写真集。主にニューヨークの地下鉄や電車の車体にかかれたグラフィティを中心に紹介した初期作品として『スプレーカン・アート』とともに知られている。「歴史」「路線図」「用語集」「技法」「ライターとクルー」「スタイル」「キャラクター」など、グラフィティ文化を総合的に知るための諸側面を項目ごとにまとめた内容からもわかるように、本書は最も古典的であり、また基本となるグラフィティの入門書であると言えよう。また、文章を少なくし、パノラマ状のグラフィティ写真を大きく載せた迫力のある誌面は、90年代以降に世界中で大量に発行されることになるグラフィティのインディマガジンのそれを先取りしている。写真家によって切り取られた都市空間の写真集であると同時に、グラフィティ・ライターたちの作品がカタログ的にアーカイヴされたデータベースでもあるような本書の誌面構成は、インターネットをはじめとする情報環境の発展とその影響下でグラフィティを見ること、鑑賞すること、保存すること、流通させることなどが問い直されている現在、あらためてその意義を強めているように思われる。

著者: 大山エンリコイサム+荏開津広

参考文献

  • Subway Art, , Henry Chalfant and Martha Cooper, Thames & Hudson, 1984
  • アゲインスト・リテラシー ─グラフィティ文化論, , 大山エンリコイサム, LIXIL出版, 2015

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