2017年06月15日号
次回7月3日更新予定

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『デア・シュトゥルム』

Der Sturm(独)

1910年に詩人で作曲家のヘルヴァルト・ヴァルデンによりベルリンで創刊された美術・文芸の週刊誌。またはヴァルデンが12年に開いた画廊の名称のこと。ドイツ語で「嵐」を意味する、ドイツ表現主義運動を代表する雑誌・画廊である。誌面には当初より画家のオスカー・ココシュカや当時無名だった表現主義グループ「ブリュッケ(橋)」のメンバーらが参加していた。また、前衛芸術にシンパシーを感じていたヴァルデンは、ヨーロッパを巡る旅のなかで若い芸術家たちを発掘し、12年に第1回「シュトゥルム」展を開催。この企画にはミュンヘンからカンディンスキーやフランツ・マルクらの「青騎士」グループも参加している。こうして誌面、画廊の双方を軸として、「ブリュッケ」と「青騎士」という表現主義の二大潮流が、ヴァルデンの慧眼によって見出されていく。また彼は16年から並行して美術教室の運営、レクチャー、演劇、書籍や版画の出版など多方向的な運動を展開し、ドイツの状況だけではなく、全ヨーロッパの前衛芸術へと眼を向けた活動を行なった。だが、ドイツ経済の悪化とナチスの台頭に伴いヴァルデンは32年にソ連に亡命、デア・シュトゥルムの活動は終焉を余儀なくされた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『ドイツ表現主義5:表現主義の理論と運動』, , , 河出書房新社, 1972

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