2017年12月15日号
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カウンター・カルチャー

Counter Culture

対抗文化。1960年代のアメリカを中心に展開した若者を中心とする文化の総称であり、その言葉の背後には、既存の高級文化(ハイ・カルチャー)に対する抵抗という含意がある。その仮想敵である「ハイ・カルチャー」は旧来の保守的でブルジョア的な文化を指しており、カウンター・カルチャーはそのような旧態依然とした価値観を根本的に批判する新たな文化として登場した。そのような背景をもつカウンター・カルチャーは、ポップ・カルチャー、ヒッピー、アングラ、B級文化といった文化現象と必然的に重なりあう側面をもっている。しかし同時に留意しておくべきなのは、カウンター・カルチャーがハイ・カルチャーという仮想的権威を前提とした対抗運動である以上、それは本質的に地理的・時代的な限界を抱え込まざるをえないという事実である。すなわち、ハイ・カルチャーへの「対抗」こそがカウンター・カルチャーの本質である以上、ハイ・カルチャーが失墜し、「ハイ」と「カウンター」、「ハイ」と「ロー」の関係がそれほど自明なものではなくなった現代において、カウンター・カルチャーに60年代当時と同じような重要性を見出すことはおよそ不可能である。今日において、カウンター・カルチャーの黎明期に生まれたさまざまな文化的所産は一定の文化的地位を獲得しており、それ自体がある種の権威となっているという状況がある。ここには、いわゆる「サブカルチャー」や「アヴァンギャルド」が抱えたジレンマと同様の現象が生じていると言えるだろう。したがって、文化現象としてのカウンター・カルチャーをめぐる考察は、それが同時代的にもちえたインパクトと、その歴史化という複眼的な視点を避けがたく要請する。

著者: 星野太

参考文献

  • 『対抗文化の思想 若者は何を創りだすか』, シオドア・ローザック(稲見芳勝、風間禎三郎訳), ダイヤモンド社, 1972

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