2019年03月15日号
次回4月3日更新予定

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サイケデリック・ムーヴメント

Psychedelic Movement

1960年代後半に巻き起こった、幻覚剤LSDがもたらす知覚体験を元にしたサブカルチャーの一大ムーヴメントのこと。中心となったのはサンフランシスコのヘイトアシュベリー地区で共同生活を送り、ヒッピーと呼ばれることになる若者たちのコミュニティである。そこで生まれたライフスタイルは、ドラッグ・カルチャーとも密接に結びついていた。サイケデリックとはそもそも、従来の用語では表現しきれていなかったLSDの効能を的確に表現しようと模索した結果、精神科医でありLSD研究を行なっていたハンフリー・オズモンドによって提案された用語である。57年に精神分析学会にて発表され、LSDの発見者、アルバート・ホフマンに妥当性を認められる。その後、自ら実験体となることを志願し、その体験をエッセイ『知覚の扉』として書いた作家オルダス・ハクスリーや、大学でサイケデリック体験の有効利用のための実験を繰り返し、果ては伝道師、あるいは先導者となるティモシー・リアリーの登場によって、「サイケデリック」の効果は認知度を高めていった。
刺激的な極彩色のデザイン(サイケデリック・アート)や、トランス状態を想起させるような陶酔的なサウンド(サイケデリック・ロック)など、その影響は美術や音楽やファッションの垣根を超えて若者たちを中心に広がっていき、60年代後半から70年代前半のカウンター・カルチャーを担う一大ムーヴメントとなっていった。

著者: 土屋ユリ

参考文献

  • 『Rock in golden age(7) 1966(1)ブルース・ロックからサイケデリック・ロックへ』, 講談社, 2005
  • 『幻覚芸術 LSD、サイケデリック、ラブ・イン』, 蟻二郎, 晶文社, 1970
  • 『LSD 幻想世界への旅』, A・ホッフマン(福屋武人監訳), 新曜社, 1984
  • 『サイケデリック・シンドローム それはビートルズから始まった』, デレク・テイラー(水上はるこ訳), シンコー・ミュージック, 1988
  • 『アシッド・ドリームズ CIA, LSD, ヒッピー革命』, マーティン・A・リー、ブルース・シュレイン(越智道雄訳), 第三書館, 1992

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