2019年01月15日号
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シュプレマティズム

Suprematism(英), Супрематизм(露)

ロシアの美術家カジミール・マレーヴィチが主張した絵画様式、およびそれと軌を一にする思想の名称。シュプレマティズム(英:suprematism)、あるいはスプレマチズム(露:супрематизм)とは「絶対主義」を意味し、語源的にはラテン語の「supremus(至高の、最後の)」に由来するとされる。1910年代初頭まで、マレーヴィチはキュビスムおよび未来派の影響を受けた「立体=未来派(クボ=フトゥリズム)」と呼ばれる様式の作品を制作していたが、その後、現実とのあらゆる対応関係を排除した絶対的な抽象を志向し、白黒の円や正方形のみを構成要素とする「無対象」絵画を制作するようになる。13年の《黒の円》ですでにその傾向は見られ、その後「最後の未来派絵画展 0-10」に出品された《黒の正方形》(1915)や《白の上の白》(1918)といった作品において、さらにその傾向は純粋かつ過激なものへと変化していく。絵画におけるその様式の展開は13年から19年にかけてと比較的短いが、その思想は絵画のみならず認識論、存在論にまで及ぶ遠大なものである。シュプレマティズムをめぐるマレーヴィチの思想は、のちにバウハウス叢書の一冊として刊行された『無対象の世界』(1927)に詳しい。

著者: 星野太

参考文献

  • 『無対象の世界』(バウハウス叢書11), カジミール・マレーヴィチ(五十殿利治訳), 中央公論美術出版, 1992
  • 『マレーヴィチ考 「ロシア・アヴァンギャルド」からの解放にむけて』, 大石雅彦, 人文書院, 2003

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