2018年07月15日号
次回8月1日更新予定

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ドミノ・システム

Système Domino(仏)

1914年にル・コルビュジエが提唱したドミノ・システムは、鉄筋コンクリート造の水平スラブと周囲でそれを支える最小限の柱、各階へのアクセスを可能とする昇降装置を構成要素とした住宅の建設方法であり、その後10年以上にわたりル・コルビュジエの設計手法の基礎をなした。「Dom-ino」はラテン語で家を意味する「Domus」と革新性を意味する「Innovatio」やゲームのドミノをかけ合わせたル・コルビュジエの造語である。ドミノ・システムのドローイング(1914)は特に有名で、近代建築を象徴する役割を担い、ル・コルビュジエはその後も、「住宅は住むための機械である」や近代建築の五原則など、近代建築を世の中に広めるきっかけとなった数々の名言やステートメントを発表するが、ドミノ・システムはつねにその根幹にあったと言える。一方で、ドミノ・システムによって世界中に広まった均質な空間は、幾度となく批判対象にもなり、新しい建築の形式を模索する建築家も多い。なかでも、鉄筋コンクリートの柱がスパイラルを描く細い鉄骨の柱に分解され、不規則に配置された、伊東豊雄による《せんだいメディアテーク》(2000)の試みは、ドミノ・システムからの脱却を人々に感じさせた。

著者: 有山宙

参考文献

  • 『建築をめざして』(SD選書), ル・コルビュジエ(吉阪隆正訳), 鹿島研究所出版会, 1967

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