2017年10月15日号
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ノイエ・ザッハリヒカイト/新即物主義(美術)

Neue Sachlichkeit(独)

1920年代から30年代初頭のドイツにおける、克明な形態描写と社会批判的なシニシズムを特徴とするリアリズム絵画の総称。23年にマンハイム美術館館長のG・F・ハルトラウプが執筆した展覧会の企画書でこの言葉が使用され、25年に開催される展覧会のタイトルとなった。グループとしてのまとまりはなく、それぞれの画家の個別的な活動に終始したが、人物の肖像をコミカルかつ醜悪にデフォルメして描いたG・グロッス、生々しい形態感の人物描写を行なったO・ディクス、頽廃的な都市生活をパノラマ的な群像表現で捉えたM・ベックマンなどの活動が知られる。その絵画様式は、ドイツ表現主義やベルリン・ダダが分かち持っていた社会批判的側面を受け継ぐように、第一次大戦後のドイツの政治体制・社会風俗への風刺性を持つ。だが、その厳密かつ冷徹な客観性を追求した表現には、同時代へのジャーナリスティックな眼差しともに、ドイツ表現主義の主観主義や抽象的傾向への反発が込められていた。しかし、ナチスの台頭によって新即物主義の作家たちのほとんどは公職を解かれ、ヴァイマル共和政の崩壊とともに活動の収縮を余儀なくされた。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Otto Dix and new objectivity, , edited by Nils Büttner,Daniel Spanke,Hatje Cantz, , 2013
  • New objectivity: modern German art in the Weimar Republic,1919-1933, , Stephanie Barron and Sabine Eckmann, Los Angeles County Museum of Art, 2015

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