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パーソナル・ファブリケーション

Personal Fabrication

MITメディアラボのN・ガーシェンフェルドらが提唱する、コンピュータやネットワークを取り入れた個人によるものづくりを指す。コンピュータによってさまざまなツールを自動化しつつ、そのノウハウをインターネットで広く共有することで、個人がより容易に、高度な創作に取り組むことができるという発想にもとづいている。代表的なツールには、樹脂や粒子を積層させて立体を形づくる3Dプリンタや、レーザー光で素材を切削するレーザーカッターなどがある。パーソナル・ファブリケーションは企業による大規模大量生産を示すマス・プロダクションと対比して使われる語でもあり、これまでのDIY(Do It Yourself)/DIWO(Do It With Others)実践の延長として、多品種少量生産による産業構造の確立という理念をもっている。ガーシェンフェルドらによって設立されたFab Labはパーソナル・ファブリケーションも中心的組織のひとつである。「Learn, Make, Share」のサイクルに基づいて世界各地で活動しており、日本国内では2011年に鎌倉とつくばに開設された。また、Fab Labと同様のファブリケーション・ツールの導入も芸術系大学を中心に進んでいる。他方、オライリー社の発行する『Make』誌と同誌が主催する祭典Maker Faireは、パーソナル・ファブリケーションに関わる多くの読者、参加者を集めており、そのオープンさとコラボレーションを軸に、技術のみならず社会制度の変革をも予見させる新たなコミュニティをかたちづくりつつある。

著者: 城一裕

参考文献

  • 『ものづくり革命 パーソナル・ファブリケーションの夜明け』, ニール・ガーシェンフェルド(糸川洋訳), ソフトバンククリエイティブ, 2006
  • MAKE: Technology on Your Time Volume 01, オライリー・ジャパン, 2006
  • Strategy+Business Magazine, Issue 64, “A Strategist’s Guide to Digital Fabrication”, Tom Igoe and Catarina Mota, Booz & Company, Autumn 2011

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