2017年10月15日号
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ランド・アート

Land Art

アース・ワーク、アース・アートとも呼ばれる。1960年代末から実践された、屋外で土や砂などの自然の物質を用い、土木工事に匹敵する大規模な制作プロセスを経た美術作品のこと。ドワン画廊(NY)の「アース・ワークス」展(1968)や、コーネル大学の「アース・アート」展(1969)が開催されたのを嚆矢として、ミニマリズムを継承したアーティストたちがこの種の作品を手がけ始めた。作品が設置される場への関わりを重視したミニマリズムが、実際にはスタジオで作品制作を行ない、会場で個々の作品を設営するという旧来的な手続きを取っていたのに対して、ランド・アートでは大地が支持体であり同時に素材となることにおいて、作品と場との直接的な結合がなされる。またそこでは作品設置と作品制作との区別が無効化されることから、ランド・アートは、ミニマリズムの展開を極限的に実現したものといえる。また、多くのランド・アートの発表では写真によるドキュメンテーションが積極的に行なわれた。そこでは、作品そのものとその記録という複数の表象体系の亀裂が示される。実際の作品がギャラリー・システムの外側にあり、その記録がギャラリーに展示されるという倒錯的な鑑賞形態は、芸術をめぐる制度論的な枠組みをも顕在化させることになった。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Land & Environmental Art (Themes and Movements), Jeffrey Kastner(ed.), Phaidon Press, 1998
  • 『反美学 ポストモダンの諸相』(ハル・フォスター編、室井尚+吉岡洋訳), 「彫刻とポストモダン 展開された場における彫刻」, ロザリンド・E・クラウス, 勁草書房, 1987

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