2017年06月15日号
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三科

Sanka

大正期の先鋭的な美術団体。1924年10月、木下秀一郎を中心に、旧未来派美術協会、旧アクション、マヴォ、旧DSD(第一作家同盟)など新興美術運動に関わった美術家たちが結成。木下は、思想的にも様式的にもさまざまな立場やグループを越えて先鋭的な表現を行なう人々が連合する必然性を訴えていたが、結局そこに起因する対立が原因で三科は短命に終わる。活動としては、同年5月に銀座松坂屋で三科会員展覧会、同月に築地小劇場で「劇場の三科」、そして翌25年9月に上野の自治会館で三科第二回展を行ない、その会期中に解散広告を出すことになって1年にも満たずに分裂した。直接的な理由は、マヴォにも属していた岡田龍夫ら急進派が共産主義運動との直接的な関わりを三科に求め、玉村方久斗ら穏健派がそれに強く反発したことであった。とはいえ、抽象絵画に留まらず、木下や岡本唐貴らによる巨大なインスタレーション的な作品、岡田らによるパフォーマンス的な作品、そして「劇場の三科」で公演された舞台を自在に使ったまったく新しい表現など、大正期における先鋭的な表現の頂点を極めたといえる点でその歴史的な意義はきわめて大きい。また、三科の解散は、それから岡本らがプロレタリア美術運動へと邁進する契機ともなった。

著者: 足立元

参考文献

  • 『日本プロレタリア美術史』, , 岡本唐貴、松山文雄, 造形社, 1972
  • 『大正期新興美術資料集成』, , 五十殿利治ほか編, 国書刊行会, 2006
  • 『プロレタリア美術とは何か』, , 岡本唐貴, アトリヱ社, 1930

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