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写真アーカイヴ

Photo-archives

アーカイヴとは、古文書や公文書の集積、およびそれらを保管する場を指す。文字資料に加え、非文字資料、つまり写真や映像による記録も含まれる。写真によるアーカイヴの例として、アルフォンス・ベルティヨンによる司法写真が知られている。現代美術においては、コンセプチュアル・アートやパフォーマンス・アートといった領域で、写真による記録を作品として、あるいは作品の一部の要素として用いる傾向が1960年代末から顕著になった。写真というメディア自体、記録し蓄積するというアーカイヴ的機能を持つため、1990年代から流行の兆しを見せた「アーカイヴァル・アート」においても作品の主要な素材として用いられた。また「ヴァナキュラー写真」への注目は、「ファウンド・フォト」と呼ばれる手法が注目された時期と重なっているのだろう。日常生活のなかに埋もれた何気ない写真、あるいは失敗写真とも言うべき、いわゆる「アート」ではない写真を再度発見し、作品に取り込んでゆく手法は、いまや現代美術の文脈では一般的である。写真の集積は、デジタル化の波にのまれ、従来のアーカイヴ(公文書館)からネット上へと、今後居場所を移してゆくのかもしれない。

著者: 遠藤みゆき

参考文献

  • 『京都美学美術史学』第6号, 「アーカイヴという視点、アーカイヴを眺める視点:一九六〇年代以降の写真アーカイヴァル・アートをめぐる試論」, 中村史子, 京都大学, 2007
  • 『October』Vol. 39, Winter, pp. 3-64, 「The Body and the Archive」, Allan Sekula
  • 『Deep storage: collecting, storing, and archiving in art』, , Ingrid Schaffner and Matthias Winzen(ed.)
  • 『The Archive』, , Charles Merewether(ed.), MIT Press, 2006
  • 『Archive Fever: Uses of the Document in Contemporary Art』, , Okwui Enwezor, Steidl, 2008
  • 『The big archive: art from bureaucracy』, , Sven Spieker, MIT Press, 2008

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