2024年03月01日号
次回3月18日更新予定

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ドローグ・デザイン

Droog Design

「ドローグ」とは1993年にオランダで発足し、現在も存続する、デザインの新動向を巡る人々のゆるやかな活動体およびブランド名のこと。中心となった人物は、デザイン編集者/デザイン史家のレニー・ラマカースと、プロダクト・デザイナーのハイス・バッカーで、「何色にも染まらない、ユーモアとウィット、そしてちょっぴりの皮肉をあなたの日常に」をコンセプトに活動を展開した。組織としての括りは希薄だが、アムステルダムにオフィスとショップを構え、世界中のデザイナーや販売パートナーとともに、ユニークな製品とプロジェクトを提案している。オリジナル・プロダクツとしては、日常生活を「変える」量産インテリア(ライティング、食器、生活用品、雑貨、アクセサリー)、スタジオ・ワーク(限定制作の家具など)のほか、出版物が挙げられる。一方、プロジェクトについては、展覧会、ワークショップ、レクチャー、シンポジウムの開催や、これまでにない視点のデザイン・ツール、ビジネス・ノウハウの提案などを積極的に行なう。基本的なスタンスとしては、コンセプトとプロセス、作品性、作家性を重視し、従来のデザインの範疇を超える編集的なアプローチを採り、アート志向も強い。当初は(いわゆるスタジオ・ワークでは)、アウトプットの生産による利潤の追求を否定して来たが、そのことがひとつの「神話」や「ブランド」となり、その結果、製品展開を行なうようになった。

著者: 橋本優子

参考文献

  • Simply Droog: 10+3 years of creating innovation and discussion, 010 Publishers, 2006

参考資料

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