アーティストの飯川雄大に筆者が初めて会ったのは、2017年のことだった★1。2体の大きな猫が展示された会場で、写真撮影や画像データの共有がより手軽になる一方、経験した当人が見た景色そのものや、そのとき感じた感覚は他者に共有できないという、飯川作品の核となる話を聞いたのを覚えている。以降、筆者は勤めていた高松市美術館で2020年に開催した「デコレータークラブ─知覚を拒む」や昨年度の作品収蔵・設置★2、今夏に開催中の「デコレータークラブ─ショップ」など、彼の作品や展示に携わる機会に恵まれた。

それらの経験を通して、飯川は作品が鑑賞者にどのように見られるかという点に、つねに注意を払っていることをたびたび感じた。作品の見え方は、当然多くのアーティストが気にする点だが、飯川は、作品と鑑賞者との関係において生じる衝動やその周囲の環境、心の動きを中心的なテーマにしているため、いっそうの考慮が必要となる。本稿では「デコレータークラブ」シリーズのいくつかの作品を、作品と鑑賞者の関係に着目しながら紹介する。それによって、直接的な鑑賞者以外に向けても作品が展開していること、飯川自身の関心の変化が作品の幅を広げていることが見えてくるだろう。

ところで、本稿にはいわゆるネタバレを多く含むため、作品を見ていない場合は、まずは見に行っていただきたい。先述したとおり、飯川が扱うのは衝動が生じる環境や思考であり、それは非常に繊細なものだ。事前の情報がない状態で何に気づきどう感じるのか、まずは楽しんでほしい。


「デコレータークラブ」シリーズ

「デコレータークラブ」シリーズは、飯川が2007年頃から取り組んでいる作品群だ。タイトルのデコレータークラブとは、海底で集めた物を体に纏って周囲に擬態するモクズショイやワタリガニなどの総称である。飯川は、テレビ番組でダイバーがこの擬態する蟹について興奮気味に話すのを見たとき、その興奮を自身は感じることができなかったという。情報伝達技術が発達普及した現代においてはさまざまな事柄を、文字や画像、映像などで容易に多数の人へ伝えることができる一方、経験した当人が感じた衝撃や感覚、すなわち衝動は、いくら手を尽くしても他者と共有することはできない。大学で映像デザインを学んだ飯川にとって、これを実感したことはとても重大だった。以降、飯川は衝動が人の内に生じる際の周囲の環境や思考の動きをテーマに、作品を展開している。飯川いわく、重要なのは蟹そのものではなく、何もないと思っていた場所に蟹がいることを発見したときに起こる衝動なのだ。そして蟹を見つけたことを誰かに話したところで、相手が同じ感覚を起こすことはない。

なお、衝動という言葉は「人の心や感覚をつきうごかすこと」「反省や抑制なしに行動すること。また、その際の心の動き」などの意味をもつ★3。蟹を見つけたダイバーの興奮はひとつ目の意味の衝動であり、それを誰かに共有したいと思うのは二つ目の意味での衝動だったと言えるだろう。「デコレータークラブ」シリーズを考える際にも、この二種類の衝動が登場する。


衝動を誘う

では、それぞれの作品で衝動はどのように扱われているのだろうか。シリーズの声明文が出されて17年が経ち、作品数も増えているため、本稿では一部の作品に絞って紹介する。

《デコレータークラブ》(2006)シングルチャンネル・ビデオ

《デコレータークラブ》(2006)シングルチャンネル・ビデオ

《デコレータークラブ》(2006)シングルチャンネル・ビデオ

映像作品《デコレータークラブ》(2006)★4は、飯川が経験した先述のエピソードを思わせる作品だ。出演者は、デコレータークラブを見つけたときの話と、自身がこれまでに感じた衝動を共有できなかったエピソードを話す。しかし、実は彼らはデコレータークラブを直接見たことがなく、その話には虚実が入り混じっているのだが、真偽に関係なく、鑑賞者にはどちらの衝動も共有されることはない。

《デコレータークラブ─ベリーヘビーバッグ》(2020)スポーツバッグ/サイズ可変
「美術館の七燈」(広島市現代美術館、2019)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─ベリーヘビーバッグ》(2023)スポーツバッグ/サイズ可変
個展「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」(霧島アートの森、鹿児島、2023)での展示風景[撮影:飯川雄大]

一方で、本シリーズには鑑賞者自身の内に衝動を誘う作品も多い。シリーズ初期から登場する《デコレータークラブ─ベリーヘビーバッグ》(2007-/以下、《ベリーヘビーバッグ》)は、程よく膨らんだスポーツバッグによる作品で、展示会場の内外に忘れ物のように置かれている。一見作品に思えない物が作品であり、実はとても重く、鑑賞者はバッグを持とうとすると想定外の重さを知覚することになる。本作ではバッグを持とうとする鑑賞者と、予想外の重さを伝える作品という双方向の働きかけのなかで衝動が生じる。

《デコレータークラブ─ベリーヘビーバッグ》(2020)スポーツバッグ/サイズ可変
ヨコハマトリエンナーレ2020「AFTERGLOW─光の破片をつかまえる」(横浜市美術館、PLOT 48、神奈川)での展示風景[撮影:大塚敬太]

また、圧倒的な存在感を放つ《デコレータークラブ─ピンクの猫の小林さん》(2016-/以下、《ピンクの猫の小林さん》)は、丸い目と半開きの口が特徴的なキャラクター「猫の小林さん」を巨大化させた作品だ。インパクトの強い作品だが、会場に対して極端に大きいなど、この猫の全身を写真に収めることはできない。本作は、鑑賞者の心を意外なものとの出会いによって突き動かして衝動を誘うが、加えてそれを記録したい、誰かに伝えたいという衝動を達成できないもどかしさを鑑賞者自身に経験させる。

《デコレータークラブ─ピンクの猫の小林さん》(2020)木材、塗料/サイズ可変
横浜市金沢区・並木クリニック(神奈川)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─ピンクの猫の小林さん》(2022) 布、送風機/サイズ可変
個展「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川)での展示風景[撮影:麥生田兵吾]


鑑賞者となる目撃者

《デコレータークラブ─配置・調整・周遊》(2018-/以下、《配置・調整・周遊》)では、ただの壁に見えていた部分を鑑賞者が動かし、それまでは想像していなかった空間を見つけながら順路を進んでいく。まさかと思うものを動かすたびに認識が塗り替えられ、大胆に変わる風景を切り開いていくのは楽しい。しかし、壁を動かすことで得られる発見や知覚は、本作の重要な部分ではあるものの、ごく一部に過ぎない。本作は壁を動かした本人には把握できない場所(動く壁の反対側など)で壁が動く様子を別の誰かが目撃するかもしれない仕組みになっており、行為者と目撃者は互いの姿を確認できない★5

《デコレータークラブ─配置・調整・周遊》(2018) 木材、塗料、キャスター、アクリルペイント/サイズ可変
個展「デコレータークラブ 配置・調整・周遊」(あまらぶアートラボ「A-Lab」、兵庫)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─配置・調整・周遊》(2018) 木材、塗料、キャスター、アクリルペイント/サイズ可変
個展「デコレータークラブ 配置・調整・周遊」(あまらぶアートラボ「A-Lab」、兵庫)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─配置・調整・周遊》(2022) 木材、アルミ製トラスフレーム、キャスター、塗料/サイズ可変
「感覚の領域 今、『経験する』ということ」(国立国際美術館、大阪)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2020-/以下、《0人もしくは1人以上の観客に向けて》)も、ハンドルを回すと別のどこかで何かが変化する作品である。変化の内容は作品によって異なるが、行為者からは把握できない場所で吊るされたバッグが上下したり、ロープで表わされた文字の色が変わる仕組みになっている。ハンドルの目の前に上下するバッグが用意されている場合もあるが、それは壁を動かすのと同じで、本作の一部でしかない。

《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2021)スポーツバッグ、ロープ、ウィンチ/サイズ可変[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2021)スポーツバッグ、ロープ、ウィンチ/サイズ可変[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─0人もしくは1以上の観客に向けて》(2022)スポーツバッグ、ロープ、ウィンチ/サイズ可変
個展「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」(彫刻の森美術館、神奈川)での展示風景[撮影:飯川雄大]

《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2020-)
個展「つくりかけラボ04 デコレータークラブ—0人もしくは1人以上の観客に向けて」(千葉市美術館)での展示風景[撮影:飯川雄大]

壁やバッグの不自然な動きに偶然気づいた目撃者は、本人の意思とは関係なく作品の鑑賞者となりうる。作品と鑑賞者に双方向の働きかけがある点では《ベリーヘビーバッグ》などと同じだが、これら2点の作品では目撃者まで鑑賞の範囲が拡張されているのだ。


見えない景色を想像する

飯川は、鑑賞者が作品をどのように見るかという点にこだわって作品を構想するが、作品と鑑賞者の関係は状況によって変化する。すでに《ベリーヘビーバッグ》は飯川自身が作品の在り方を変えることで、当初とは異なる関係性を鑑賞者との間に築いている。

《デコレータークラブ─新しい観客》(2022)スポーツバッグ、キャリーカート/サイズ可変
「感覚の領域 今、『経験する』ということ」展(国立国際美術館、大阪)と、個展「デコレータークラブ:メイクスペース、ユーズスペース」(兵庫県立美術館)での連携実施[撮影:飯川雄大]

《新しい観客》(2022-)は参加者が《ベリーヘビーバッグ》を展示会場から持ち出し、ほかの会場へ運ぶプロジェクトである。会場内ではスタッフに看視される作品が、外に出ると単なるバッグとなり、街中では作品だと知る人に対してや、誰かに違和感を生じさせた場合などに作品となりうる。持ち出された《ベリーヘビーバッグ》では、《配置・調整・周遊》などと同様に、作品と鑑賞者には双方向の働きかけがあり、目撃者が鑑賞者となるかもしれないのだ。

《デコレータークラブ─新しい観客》(2022)スポーツバッグ、キャリーカート/サイズ可変
「感覚の領域 今、『経験する』ということ」展(国立国際美術館、大阪)と、個展「デコレータークラブ:メイクスペース、ユーズスペース」(兵庫県立美術館)での連携実施[撮影:飯川雄大]

また、現在《新しい観客》は、CAPSULE(東京)、渋谷公園通りギャラリー(東京)、高松市美術館(香川)、鳥取県立博物館、LAG(LIVE ART GALLERY/東京)で実施しており、これまでよりも会場間の距離が長くなったことで★6、鑑賞者の想像の幅を広げる試みとなった。重いバッグを持っての長距離移動はできない・したくないと思う人も、会場間の位置関係や距離を考えたはずだ。いま自分がいるのとは別の場所のことや、重いバッグを持って移動する自分自身の姿をも想像したかもしれない。飯川の作品は鑑賞者が実際の行為(持つ、撮影する、動かすなど)を行なうことで機能するものが多いが、最近はこのように作品が提示する可能性を想像させることにも関心があるという。

「デコレータークラブ─ショップ」(高松市美術館ブランチギャラリー、香川)での展示風景(2024)

さらに、展示「デコレータークラブ─ショップ」では、《ベリーヘビーバッグ》がショーウィンドウの中に収められ、本作が通常予想されるよりも重いことを文章に記した。文章を読んだ鑑賞者は、バッグの重さに想像を巡らせたことだろう。鑑賞者が作品を持つことで、鑑賞者の感覚や心を突き動かして衝動を誘うという双方向にあった関係が、ここでは作品を見て鑑賞者が想像するという一方向のシンプルなものになっている。

もともと飯川の作品には想像の要素が多分に含まれていた。先に触れたとおり《デコレータークラブ》で語られる話のほとんどが出演者の想像であり、《0人もしくは1人以上の観客に向けて》の行為者は自身の行為が何につながっているのか想像しながらハンドルを回す。さらに本稿では詳しく触れられなかったが《デコレータークラブ─未来の猫のための定規》(2023)は、鑑賞者はもちろん、飯川自身が想像する世界を具現化するための足掛かりとして制作されている。これらの作品制作と並行して高まった想像に対する関心は、新しい作品の登場だけでなく、《ベリーヘビーバッグ》のように、既存の作品における鑑賞者との関係性を変化させるに至ったのである。


日常の作品化、そして日常化

飯川作品を知るほど、日常でもあらゆるものが作家に仕込まれたものではないかと想像してしまうようになる。日常にアートを持ち込み、目撃者が鑑賞者となる作品はいくつもあるし、作品が至るところで展示される現在、街中で見かけた突飛なものを作品のように感じることは珍しくない。そのなかで《ベリーヘビーバッグ》は日常のなかで見慣れたバッグを作品化し、再度日常の風景に戻すことによって、道端に置かれた普通のスポーツバッグさえも作品かもしれないと疑いを抱かせる。

日常の作品化、そして再度の日常化としては清掃員を作品化したハイレッド・センターの「首都圏清掃整理促進運動」(1964)などが挙げられる。「首都圏清掃整理促進運動」は赤瀬川原平がレタリングした看板で役所を意識したというし、赤瀬川は後年、この異質な風景の目撃者となった警察官らの「たしかに掃除だけどどーもおかしい、ジックリしているけどどーもおかしい、でおかしいと思うから立ち止まって、振り返ろうとも思うのだけど、でもよく考えたらこれはやっぱり掃除だ、正しくてテイネイだ……」★7という戸惑いを想像している。さらに、わずかな違和感を生じさせる作品としては現代アートチーム目[mé]による「スケーパー」がある★8。目[mé]がディレクションを担ったさいたま国際芸術祭2023では、「スケーパー」という、偶然か作為的か見分けがつかない光景をつくり出す人々が会期中毎日市内に配置され、「スケーパー研究所」にその目撃情報が多数寄せられていたのも記憶に新しい。研究所に届く情報には本物のスケーパーの情報と、芸術祭に無関係な人や景色の情報が混在していたことだろう★9

作品化や日常化の際の作家による細工がささやかであるほど、目撃者の判断は難しく、日常でも「もしかして」と思うようになる。街中で《ベリーヘビーバッグ》のように見えるバッグを見かけたら、私たちはそれが持ち主の存在する単なるバッグなのか、作品なのかと、周囲を見回し、想像を膨らませていく。見た目からは判別できないし、他人の持ち物を持ってみるわけにもいかない。飯川自身ですら、《新しい観客》を始めた頃の思い出として、大阪駅の地下でキャリーに荷物を乗せて運ぶ多くの人のことが、仕込まれた人のように見えたと語っている★10ように、実際には作家の関与していない場所でも、もしかすると作家が仕込んだものかもしれないと、目撃者は勝手に想像してしまうのだ。


いたずら心を発揮して

飯川はあらゆる手法で、鑑賞者や目撃者に向けて意外なものとの出会いや想定外の知覚による衝動を仕掛け、時にそれを他者に伝えたいという衝動を制限することなどを通して、衝動にまつわる環境や心の動きに光を当ててきた。そして最近では鑑賞者の想像を促し、委ねることで作品の幅を広げている。

本稿では最後に、飯川作品の根幹にある彼のいたずら心について触れておきたい。《ベリーヘビーバッグ》はその誕生から現在まで、さまざまな展開を経てきたが、その原点には、飯川が中学生の頃、仲良しの友人の鞄の中にブロックや石、ついには消火器をこっそり入れたにもかかわらず、友人は気づかずにその重い鞄を担いで帰ってしまったという出来事がある★11。ほかの作品でもその根幹には彼のいたずら心があり、それらが私たちを魅了する。さらに《0人もしくは1人以上の観客に向けて》のハンドルを回すとき、または《新しい観客》で重いバッグを引いて道を歩くとき、自分の行為が誰かを鑑賞者にしているかもしれないと期待する瞬間、いたずらの共犯者になったような気持ちが湧くのだ。

何か閃いて「おもろいやん」と言う嬉しそうな顔は、作品の始まりを知らせる。飯川はこれからもいたずら心を発揮しながら作品を仕掛けて衝動を誘い、私たちの認識をどこまでも揺さぶり続けることだろう。


★1──2017年に飯川は高松市が主催する高松アーティスト・イン・レジデンスに参加した。
★2──高松市美術館では2023年度に《デコレータークラブ─0人もしくは1人以上の観客に向けて》と《デコレータークラブ─ベリーヘビーバッグ》を収蔵した。これらの作品収蔵の経緯については本稿と並行して執筆しており、今後発刊予定の飯川の作品集に収録される予定である。
★3──新村出編『広辞苑』第四版(岩波書店、1991)
★4──2006年に本作が初めて発表された後、出演者がひとり増えた《デコレータークラブ─衝動とその周辺にあるもの》が2019年に発表された。
★5──本作について木村絵里子氏は、ある鑑賞者の行為が、別の鑑賞者にとって作品になる構造はリレーショナル・アートなどにも見られる傾向であるとしながら、本作の場合は「徹底して個人主義的な行動が、たまたま別の誰かが目撃する現象になるという間接的な因果関係の上だけで成立している。この点でも、SNSのシェア時代の擬似的なコミュニケーションの存在を前提とした作品のありようを見出すことができるだろう」(『飯川雄大 デコレータークラブ』、赤々舎+せんだいメディアテーク、2024、p.117)と指摘する。
★6──《新しい観客》は、2022年に国立国際美術館(大阪)、兵庫県立美術館(兵庫)で初めて実施され、2023年には彫刻の森美術館(神奈川)、ACAO RESORT(神奈川)で実施された。
★7──赤瀬川原平『東京ミキサー計画』(筑摩書房、1994)p.260
★8──CAPSULE(東京)での個展「飯川雄大 “デコレータークラブ: ニューディスプレイ”」のオープニングトーク(2024年6月1日開催)で、ライターの杉原環樹氏が同世代の飯川、目[mé]、梅田哲也の活動が、その施設関係者すら入ったことがないようなバックヤードの一室までもを展示のために利用し、作品の空間を広げていると指摘していた。
★9──さらに、《Life Scaper》(2021-)は「スケーパー」を「所有」することができ、目[mé]と契約することで、人生のどこかで「スケーパー」が登場して何かしらの行為が行なわれるかもしれないという作品だ。しかし、所有者が気づかないうちに「スケーパー」による行為が実施されることや、一度も実施されない可能性もあるという(『美術手帖』2024年1月号、美術出版社、2024、p.111)。
★10──『飯川雄大 デコレータークラブ』(赤々舎+せんだいメディアテーク、2024)p.104
★11──同上、p.29


飯川雄大「デコレータークラブ―ショップ」
会期:2024年6月18日(火)~7月21日(日)
会場:高松市美術館 ブランチギャラリー(香川県高松市丸亀町13-2 高松丸亀町商店街内「しごとプラザ高松」ショーウィンドー)
公式サイト:https://www.city.takamatsu.kagawa.jp/museum/takamatsu/event/hukyuutest/ev_2024/events_2024/ev_20240618.html


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