韓国のアートシーンについて、時折、執筆していただいているセオ・ヒョジョン氏から、自身も参加する「dialog() Asian generative Art Exhibition 2024」について知らされたのは、8月1日。「東京、台北、ソウル、北京でジェネラティブアートを制作しているアーティストを10人ずつ選び、40人の作家が4都市ツアーを行ないます(※編集部注:東京展ではゲストを入れて41組)。欧米中心のジェネラティブアートシーンに東アジアの作家を紹介し、アジアのアートについて考えるきっかけになる展示です。8月8日から東京に行きますよ」。そして、そのとき、4都市の各展覧会について、各地の参加作家やジェネラティブアートに関わる議論をシリーズで掲載してはどうか? というアイデアをもらったのです。美術館でもなく大学でもない、個人のアーティストがインディペンデントにそれだけの規模の国際巡回展をやるのか。これは面白そう。すぐにメディアアート系のキュレーションを手がけ、同展のトークイベントにも登壇することになっていた多田かおり氏にコンタクトし、レポートをお願いしました。本稿は巡回展レポートの第1回で、これから10月の台北展、11月のソウル展、それに続く北京展まで、現地在住のアートライターの方に現地の言語でレポートしていただく予定です(日本語版付き)。これはartscape初の試みです。(artscape編集部)

アジア4都市から発信するジェネラティブアート


会場風景(東京の作家の展示空間)[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

「dialog() Asian generative Art Exhibition 2024」★1は「ジェネラティブアート」という視点から編まれたデジタルアートの展覧会だ。ジェネラティブアートとは「アーティストが自然言語の文法、コンピュータ・プログラム、機械、その他の手続き的な創意を用いて、芸術作品に対して何らかの自律性を働かせたり、その結果を生み出すようなシステム一式を用いて行う、芸術的な実践」★2と定義される。したがって、しばしばモーツァルトの《音楽のサイコロ遊び》がその古典的事例とされるなど、視覚芸術などのジャンルやコンピュータ・アルゴリズムなどの制作技術・技法によって限定されるものではない。

1960年代の美学者マックス・ベンゼを中心としたシュトゥットガルト・スクールの視覚表現や、東京大学渡辺茂研究室による短歌、楽曲制作といった創作実験におけるコンピュータ・アルゴリズムのアートへの応用は、生成的な制作にひとつの方向性を示したといえる。2000年代に登場したProcessingなどの開発環境も、その可能性を拡げた。

しかしこの語は2010年代後半のNFTアートの隆盛を経た現在、ブロックチェーン上で生成されるビジュアル表現として、流通とセットになり新たな意味を帯びている。特に取引時のハッシュ値を元に乱数を発生させ、ひとつのコードから複数のユニークな結果(=アートピース)を生成するプラットフォーム「Art Blocks」のリリース(2020)以後の認識といえるだろう★3

こうした文脈を踏まえ本展は、大きく2つのコンセプトに基づき企画されている。1点目はコンピュータ・アルゴリズムにランダム性を取り入れることでいかなる表現が生まれ得るかの探求だ。これはいわば冒頭に挙げた定義を再確認するようなものだ。背景に、さまざまなプラットフォームや取引のシステムが洗練されていくにつれ生成的な手法が、ときにパターンの量産のためだけに利用されたり、生成の瞬間のみに関心が集中する鑑賞態度が台頭したり、またwebブラウザ上で動作する平面作品という形式が主流となっていることが本展ステートメントに書かれており、ジェネラティブアートに対し固定された見方が生まれているようだ。

2点目はタイトルが示す通り本展は東京、台北、ソウル、北京の4都市巡回展であることだ。各都市より参加した計41組の作家の作品は、会場ごとに再構成される。ジェネラティブアートをテーマとし、アジアにフォーカスした本展相当の規模のインディペンデントな国際展は、おそらく初めてだという★4。本展を通じてアジアからその独自文化を見つめ直し、自身の解釈によるジェネラティブアートの提示を目指すという。

ジェネラティブアートを展示するさまざまな試み

東京展は渋谷の元倉庫のフリースペースで開催された。各都市ごとに展示空間が分かれ、東京選出の作家は3段のローリングタワー(建築用足場)、他都市の作家はLGS(軽量鉄骨)の構造体に作品が展示されていた。東京の作品には立体(永松歩など)や鑑賞者が操作するもの(たかくらかずき、px_perimentほか)など多種多様だったが、他都市の作家作品は基本的にひとつのディスプレイで完結していた。では、いかにそれぞれの表現に自律性やランダム性が発揮されていただろうか。

東京の作家の展示風景 px_periment《Detail of Me》[撮影:artscape編集部]

ソウル・台北の作家の展示風景 Yang, Minha《Huge red flag (2024)》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

北京の作家の展示風景 左:MOses Li《MOses’ entry_Feigenbaum constant4.669》 右:Random Combo《Mei(梅)》[撮影:artscape編集部]

入場してすぐ実写の写真・動画をベースとした作品が目に入ったのは意外だった。江原彩子《Daily Narratives》とKaryn Nakamura《Perfect Syntax》《We meet in the middle》だ。江原はスマートフォンで撮影した日常風景を画像生成AIであるStable Diffusionを使い動画として再生成、さらにそれをジェネレーティブにアニメーションさせた。この手法の組み合わせにより、視覚情報過多であるにも関わらず親しみある風景が現われた。一方Nakamuraの《Perfect Syntax》は、シンタックス(人間の自然言語において文が構成される仕組み。統語論)のロジックをAIがいかに理解し、各意味をどのようにつなげるか? と問うエッセイ・フィルムだ。動画という、時間経過において意味を構成するメディアをAIがどう認識するか。Nakamuraは「AIの筋肉」というフィクショナルな設定を導入し、現在のAIと人間との間にある意味を構成する方法の差異に注目させる。


江原彩子《Daily Narratives》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]



Karyn Nakamura《Perfect Syntax》《We meet in the middle》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

一方、抽象的な表現は、北京やソウルの作家勢の作品に多く見られた。例えばLucio+Damiao(北京)《Line-nomenon》では閉じたループを描く「情報のフロー」というモチーフが、大型LEDパネルに表示される。抽象的であるにも関わらず、観る身体を強く意識させたのはYi-Wen LIN(林逸文、台北)《Disorder》だ。リアルタイムにコードを実行することでカオティックに動く線が生成される作品だが、モニターのフレームを額縁として機能させ、また画面内の影や色味によって、この線がそこにあるかのように見える。作家はモニター内を実世界と錯覚するよう鑑賞体験をデザインすることで、オンラインではないリアル空間での展示という条件に対し、応答しているのだろう。


Yi-Wen LIN(林逸文)《Disorder》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]



Lucio+Damiao《Line-nomenon》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

またReva Fan(北京)《Endless Ballad》やRandom Combo(汤清楠、北京)《Mei(梅)》は、まるでペンや筆で描かれたかのような質感を持ち、シミュレートされた絵画や版画として観ることができる。具象的または記号的イメージを用いた作品もあった。Yongkak Cho(ソウル)《The Head Murmur》はオープンソースのコーパス★5を言葉の最小単位(形態素)に変換、それが再び意味のある単語列として生成的に構成される様子を視覚化したという。eziraros(劉乃廷、台北)《dying log (音沙汰なし)》のモチーフはかつて広告主と求職者とのダイアローグの場であった台湾の新聞の求人広告だ。本作はこの消えゆくメディアの利用者や誌面のデザイナーに向けられている(この明快な説明に満足してしまったが、制作技術の面でもユニークかつ突出した作家だと東京展キュレーターの高尾俊介は説明していた)。


Yehwan Song 《I Believe I See, I Don’t Believe I Can’t See》[撮影:artscape編集部]



eziraros《dying log (音沙汰なし)》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

ジェネラティブアートという枠組みからは意外と思われる展示方法によって本展のテーマに応答したのは、たかくらかずき《みえるもの あらわれるもの いないもの》、Yehwan Song(ソウル)《I Believe I See, I Don’t Believe I Can’t See》だ。Songは非・ユーザー中心主義をモットーに利便性とは一線を画すネットアートを制作している。本作は画面全体が座標平面の第1~第4象限のように分かれ、中央の人物の視線の動きに応じ、I believe、I see、I don’t believe、I don’t seeそしてそれらに多少の形容詞が加わった言葉をフキダシのように生成する。すべて「わたし」が主語のフキダシは、主観という他者理解における本質的な限界を表わし、ダイアローグの不可能性を示すかのように見える。《みえるもの あらわれるもの いないもの》は16ビットのビデオゲームのような体裁だ。端末(1990年代頃のデスクトップPC)を操作し俳句を入力する。これをChatGPTが英詞に置き換え、さらにこの英詞をたかくらの作風を学習した画像生成AIに読み取らせ、新たな妖怪を生成する。たかくらは既にNFTのシーンで高い評価を得ている作家だが、企画者の選出理由はむしろ彼がテーマとする東洋土着の宗教をジェネラティブアートを通じて再解釈している点だろう。

たかくらかずき《みえるもの あらわれるもの いないもの》[撮影:artscape編集部]

視覚的表現と、いまここでそれを生成するコーディングという表現

さて本展ウェブサイトには各作家略歴、作品解説と並びMediumが記載されている。Mediumとは美術展の文脈では材料や媒体を示す★6。特徴的なのは、ここにVideoやInstallationと並びHTML/CSS/JavaScriptという、通常は美術の材料・媒体とは見做されない情報が記載されていることだ。このことが意味するのは、当該の作品は動画や静止画に書き出したデータではなく、リアルタイムにコードを実行したり、あるいは展示されているのはコードそのものだ、ということだ。例えば高尾は日記のように毎日プログラムを書く習慣=「デイリー・コーディング」★7のコードとその実行結果を並置した。筆者が見たタイミングではカンディンスキーなどの名画の色を参照し構成したものだった。Web GL★8を専門とする中野美咲は、今回はSimplex Noiseというアルゴリズムを利用し、水流の物理的なモデルを使わず、コードのみで揺らぐ水面のように見える映像表現を行なった。一方、海外作家は展示への立ち会いが難しいなどの理由から、コードではなくそれが生成する理想的な状態を、動画や静止画として書き出したものを展示する傾向があったようだ。このことはトークでも論点となったが、「いまここでコードが実行されている」というリアリティは、ジェネラティブアートが持つユニークさでもある★9。他の3都市の作家たちが、それぞれのホームではどのような表現を行なうのかは気になるところだ。

高尾俊介《Dramatic Yesterday, OK Today》[Photo: go itami 提供:dialog()実行委員会]

以上が東京展の展覧会部分の概観だ。企画者たちによれば、NFTとして流通するジェネラティブアートは絵画的な静止画が中心だが、本展の特徴は動画やコードを動かす作品も多く含まれていることだという。企画者のひとりNIINOMIによれば本展は「ジェネラティブアートの展覧会」のイメージを覆す試みでもあった★10。本展を単にサイネージが並ぶようなものにはしたくなかったのだという。技術的にも、少なくとも展示会場では、ジェネラティブアートをNFTの延長、サブジャンルとしてカテゴライズするような説明はなされていなかった。企画者たちは生成的な表現の広がりに重点を置くことで、既存のNFTのシーンで代表的な作家のショーケースとは異なる方法を探ったのだという。

重ねられる対話の場

4日間という短い会期にも関わらず10回ものトーク・イベントと1回のワークショップが実施された。特にトークは展覧会のテーマの背景や企画者の意図が語られる場となった。筆者個人は冒頭のふたつのテーマのうち「アジア」がどう説明されるかに興味を持ち、参加した。

前提として、狭義のジェネラティブアートはNFT/クリプトアートのサブジャンルと見做されるだろうが、その領域においてなぜ「アジア」というテーマが浮上したのだろうか。まずいくつかのトークで繰り返し話されたのは、NFT/クリプトアートにおいてもファインアートと同様、欧米中心にシーンが動いていることである。 企画者のひとりhasaquiが本展に寄せたテキストの中でも主導的なプラットフォームや開発者、起業家などは欧米のほうが層が厚く、リソースが潤沢であることが指摘されている。また例えばLe Random★11にみられるように文脈化が速いのも欧米だ

例えば高尾はLAで発企したNFTのIRL Minting(IRL=In Real Life、現実世界での収集体験)プラットフォームBright Momentsを挙げる。Bright Momentsは昨年東京でも開催され、そのレポートからは極めて洗練されたアートフェアのような印象を受ける★12。一方で高尾はBright Momentsが、例えばロングフォーム(Long-Form Generative Art)★13など特定のテーマのもとある種目的主義的に構成されているとも指摘し、これに対し本展はあえて目的ありきではなく、各自が自由に「遊ぶ」ことを目指したという。前述のhasaquiによるテキストの中でも、ジェネラティブアートがチェスなどの盤上遊戯とのアナロジーによって論じられている★14。欧米由来の、近代個人の創造性を拠り所としてルール化されたアートワールドに対し、多様なクリエーターやツールが構成するデジタルアートシーンの生態系の、盤上遊戯のような自律的発展の仕方を新しい創造性の鍵と見ている、という。

一方ほとんどのトークで「アジアとは?」という問いに触れられたが、4都市巡回の1回目となる東京展でその明確な答えが出ていたかといえば、模索中といった印象だ★15。アーティストの藤幡正樹を招いた「非西洋中心の芸術を考える ~極東アジアにおける『アート』とは~」や、キュレーターの四方幸子と畠中実を交えた「コンピュータによる生成表現の可能性~非人間中心の創作~」、そして筆者自身も登壇し久保田晃弘を招いた「日本のGenerative artの過去・現在・未来」などのトークは、メディアアート、コンピュータアートの重鎮たちとの対話を通じ、歴史的・地域的に本展の試みを位置付けようとしているように思われた。

トークイベント「Four cities dialog() 」では、歴史や地理といった大きな枠組みによらない、各都市のジェネラティブアートを取り巻くリアルな状況が報告された。ソウルには多くのデジタル・アーティストがいるが自身でコーディングを行なう人は少なく、またベテランほどNFTに懐疑的だという。美術市場で大きなシェアを持つ中国でもNFT/クリプトアートは未だ主流ではない。しかし実のところ1980年代から大学等でジェネラティブアートのルーツとなるコンピュータ・アートの制作が始まっており、Web3以降はより多くの作家が活動している。さらにこの4都市間のやりとりの延長として、連絡に使っていたチャットツールDiscordに「アートヒストリー」というチャンネルが作られ、各都市のコンピュータ・アート、ジェネラティブアートの歴史に関する情報を交換し続けていることが強調された★16。こうした共通の知識をベースに今後どう展開するのか期待している。

トークイベント「Four cities dialog()」の様子(左からNori、NIINOMI、Jo-Lin Hsieh、Shih-Tung Lo、リモート出演は左がArctic、右がLucia Kang)(8月9日開催)[提供:dialog()実行委員会]

ダイアローグをとおして共に編むストーリー

4日間の会期に国内外から出品作家や企画者が集合し、またのべ約1,000人もの来場者を得た。展覧会だけでなくトークやワークショップ等により多角的にジェネラティブアートを紹介する企画構成は(もともと映像を専門とする筆者から見れば)小規模な映画祭のようだ。企画者が一方的にメッセージを発信するのではなく、観客を「遊び」に巻き込みながら共に場を創ることを試みたのではないかと思うが、これは前述のデジタルアートシーンの生態系におけるプレーヤーとしての態度と地続きとなるよう、意識されてのことかもしれない★17

ひとつ気になったのは作家の展示室が都市ごとに分かれていたことだ。各都市のキュレーションの傾向は掴み易いが、本展ではむしろ異なる都市を拠点とする作家/キュレーター間に発生した「ダイアローグ」をもとに、個別の作家を対比したり共通点を見出したりできるよう、4都市の作家が混在したひとつのストーリーを構成してもよかったのではないだろうか。企画者のひとり永松歩がXに投稿した、本展に寄せられた批判のなかには「東アジアの歴史、地政学、社会情勢について議論する場が用意されづらい」という意見があった。しかしジェネラティブアートの展覧会を通じてこうした大きなテーマを包括的に語ることができるのかはわからないし、実のところこうしたテーマに回収されないことこそ「遊び」の強みではないかと思う。本展をきっかけにできた草の根コミュニティが、「アジア」を冠した展覧会が扱わなければならない既存の問題系とは異なる、新しいストーリーを共に編むことに挑戦するところを、見てみたいと思った。

★1──本展は東京のNEORT株式会社一般財団法人ジェネラティブアート振興財団、台北のVolume DAO、ソウルのAEON STUDIO、北京のN POLE ARTの共催。企画経緯等はhasaqui「dialog(アジア,現代,ジェネラティブアート)」を参照。https://www.dropbox.com/scl/fi/crfr4bvr5e4fjgwzj767d/dialog-_20240808_v1.pdf?rlkey=myvo0mko4lbida6dq6vk3fn84&e=2&st=aasjjjnn&dl=0(2024年9月13日閲覧)
★2──フィリップ・ガランターによる概説(マット・ピアソン『ジェネラティブ・アート─Processingによる実践ガイド』、 沖啓介訳、 久保田晃弘監訳、ビー・エヌ・エヌ新社、2012、p. 51)またAyumu Nagamatsu「NFT Oriented GenArt」『Proof of X: NFT As New Media Art』展ハンドアウトも参照。
★3──ブロックチェーンとハッシュ値の基礎的な解説は、例えば次のリンク等を参照。https://www.ntt.com/bizon/glossary/j-h/block-chain.html
Art Blocksならびにブロックチェーン上でジェネラティブアートを生成する仕組みについては以下参照。wildmouse「オンチェーンNFTがもたらすもの」(庄野祐輔+hasaqui+廣瀬剛+田口典子+藤田夏海編『THE NEW CREATOR ECONOMY:NFTが生み出す新しいアートの形』、ビー・エヌ・エヌ、2022)
★4──トークイベント「Curator’s dialog() 」におけるhasaquiならびに高尾俊介の発言より(2024年8月9日)。https://dialog-asia.com/events/curators-dialog
★5── 自然言語を構造化して大量に蓄積したデータベース。
★6──山口美果「メディウム」(artscape、現代美術用語辞典 1.0)https://artscape.jp/dictionary/modern/1198491_1637.html
沢山遼「メディウム・スペシフィシティ」(artscape、Artwords®)https://artscape.jp/artword/6857/
★7──高尾俊介「穏やかな日常のなかでデイリーコーディング」(artscape「8人のアーティストの移住と時間割 」、2024年03月25日)https://artscape.jp/article/7160/#takawo
★8──WebGL (Web Graphics Library) は、互換性があるウェブブラウザーにおいて、プラグインを使用せずにインタラクティブな3Dや2Dのグラフィックをレンダリングするための JavaScript API。例えば次のリンク参照。https://developer.mozilla.org/ja/docs/Web/API/WebGL_API
★9──トークイベント「コンピュータによる生成表現の可能性~非人間中心の創作~」における畠中実の発言(2024年8月12日)。https://dialog-asia.com/events/potential-of-generative-art
★10──「Curator’s dialog() 」における発言。
★11──オンチェーンのジェネラティブアートを美術史のなかで文脈化し、コレクションやエディトリアル・ワークを通じてその重要性と影響を強調することをミッションとしているオンラインのインスティテューション。
★12──庄野祐輔「Bright Moments Tokyo – Behind the scenes 人とアートを相互接続する空間」(『Massage Magazine』) https://themassage.jp/archives/18474
★13──Tyler Hobbs, “The Rise of Long-Form Generative Art”, 2021. https://www.tylerxhobbs.com/words/the-rise-of-long-form-generative-art
かつてジェネラティブアートの作家たちは、ひとつのコードから生成された多様なアウトプットの内から、好ましい結果を選んで発表していた。上記リンクではこの工程を「”curation” step」と呼んでいる。一方、Art Blocks等では各コードについて予め作家が決めた回数を限度とした異なる結果を生成することができる。通常は500~1,000ものイテレーションを指定することができ、また生成される結果は作家にもコレクターにも予測できない。このことがロングフォームのジェネラティブアートのインパクトだという。しかし「コンピュータによる生成表現の可能性~非人間中心の創作~」で庄野祐輔が話したように、ロングフォームはあくまでNFT以降現在主流のメソッドであり、本展では生成的な表現に対するより多様な作品が集まったという。
★14──hasaqui、前掲書、pp. 6-15。
★15──「Curator’s dialog() 」でメインの企画者であるNIINOMIも「アジアらしさはまだわからない」と述べていた。
★16──「Curator’s dialog() 」内での企画者たちの発言による。
★17──会期中、出展作品の一部がNFTアートとして販売され、収益をあげていた。

dialog() Asian generative Art Exhibition 2024
会期:2024/08/09~2024/08/12
会場:SpaceEdge(東京都渋谷区渋谷3-26-17 野村ビル1F)
公式サイト:https://dialog-asia.com/