掲載/歌田明弘|
掲載/影山幸一
ウェブ上の世界旅行
歌田明弘
パソコンのなかの丸い地球
前回
は、グーグルの地図検索「
グーグル・マップ
」(「グーグル・ローカル」と統合されている)をとりあげたが、今年の6月グーグルが新たに始めたグーグルの地理情報検索「
グーグル・アース
」は、表示される衛星写真の解像度がもっと高くて、建物や地形がより細かく見える。しかも3次元画像で、そのリアルさには驚かされる。世界中同じようなレベルの3次元画像や解像度のものが見られるわけではないが、アメリカの38都市については、ビルの3次元画像も収録されている。
前回、グーグル・マップの衛星写真について「飛行機に乗って街を見下ろしているような気分がする」と書いたが、グーグル・アースはいよいよそうだ。検索ウィンドウに住所を入れるか、あらかじめできているリンクをクリックすると、現在いる場所から上昇し、地球をまわって次の地点に近づき、大地がぐんぐん大きくなっていく。地球が丸い存在であることを実感させられる演出になっている。
たんに画像がきれいというだけではない。利用者が画像の上にアイコンを置き、情報を加えて保存し配布することもできる。自分のサイトにファイルを置いてダウンロードさせてもいいし、「
グーグル・アース・コミュニティ
」という情報共有のための掲示板サイトができているので、そこに置いてもいい。めぼしい観光地はもちろん、最近、
地震が起きたところばかりを集めたもの
だとか、
台風情報
など、数多くのファイルができている。台風情報のサイトは、国立情報学研究所の研究者が気象衛星の画像を1時間ごとに更新しているとのことで、洋上に接近しつつある台風画像を見ることができる。
「グーグル・アース・コミュニティ」のサイトで、「アート」を検索してみると、
シェイクスピアの戯曲の舞台になった場所を集めたファイル
だとか、ミュンヘンやハンブルグの美術館、ビートルズゆかりの土地めぐりなどが見つかった。「
ビートルズ・ツアー
」はパート1となっているので、まだまだゆかりの土地を発掘していくつもりなのだろう。
グーグル自身もファイルを作っている。「グーグル・アース」はまだ日本語化されていなくて、日本のグーグルのサイトではまだ紹介していない。だから英語だが、「
sightseeing
」というページでは、グランド・キャニオンだとか、ベニス、バミューダ諸島など景勝の地が集められている。「グーグル・マップ」は、ほかのポータルサイトと同じく、ウェブサイト上で表示されるが、「グーグル・アース」のほうはソフトをダウンロードしてインストールする必要がある。しかし、このページでは、それらの場所の画像がキャプチャーされているので「ソフトをインストールするのは面倒だけど興味はある」という人はとりあえず覗いてみるといいだろう。
ポータルサイトとしての地図
もう少し詳しい使い方を知りたい人のためには、
機能を紹介しているページ
もできている。とりあえずクリックしてあちこち見てまわるだけなら簡単だが、奥は深そうだ。「
Google Earth 観光案内
」という個人サイトは、日本語で、ソフトの使い方を説明し、おもしろそうな場所やめぼしい場所を集めた膨大な数のファイルを提供している。
9月半ばには、「ナショナル・ジオグラフィック」がアフリカ大陸の情報を提供し始めた。「『ナショナル・ジオグラフィック』を読みながら、アフリカを夢見たことはないでしょうか。エキゾチックな写真と深みのある記事が不思議な感覚のするその場所に連れて行ってくれます」とのことで、
グーグルのスタッフのブログ
でも、画像のサンプルを見ることができる。アフリカ大陸にいくつもアイコンが置かれ、それをクリックすると「青いナイル」だとか「探し求めていたチンパンジーとのファースト・コンタクト」などの情報がナショナル・ジオグラフィックの美しい写真とともに現われる。リンクをクリックすると、同誌のサイトが開き、記事が読めるようになっている。地図が記事へのリンク・ページというわけだ。たしかに地図がポータルとして役に立つ場面は思いのほか多そうだ。
[
うただ あきひろ
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