Q5-1 デジタル化の方法と使用機器名は何か。(例:マイクロフィルムをスキャニングしデジタル化…、資料をデジタルカメラHasselblad 555ELO+PhaseONE H25で撮影…など)
A5-1
〈近代デジタルライブラリー〉
マイクロフィルムをスキャニングしデジタル化しています。デジタル化作業は外注で行なっているため、機器はその都度異なりますが、現在のところ、仕様としては「Wicks and Wilson Limited 社製 ScanStation 4100、又はこれと同等以上」としています。
〈貴重書画像データベース〉
資料をフィルムカメラで撮影し、そのフィルムをスキャニングしてデジタル化しています。請負業者を入札で決定しているため、使用機器もその都度異なります。
Q5-2 画像の保存形式は何か。(例:TIFF、JPEG、JPEG2000、PNG、PDFなど)
A5-2
〈近代デジタルライブラリー〉
JPEG2000です。ただし、明治期刊行図書については、当初の画像作成はTIFFで行なっています。閲覧時に提供されるJPEGは、JPEG2000から動的に作成しているものです。
〈貴重書画像データベース〉
平成16年(2004)度以前に作製したものが大部分フォトCDと一部TIFF(これら2つのうちいずれか)、平成17年度以降に作製したものは全てJPEG2000とTIFFの2種類です。公開用にはJPEGを使用しています。
Q5-3 その保存形式を採用した理由は何か。
A5-3
〈近代デジタルライブラリー〉
国際標準規格であること、圧縮率が高く画像サイズを小さくできることによります。
〈貴重書画像データベース〉
JPEG2000については同上。他については、コストと画質、可逆圧縮であることを考慮して選定しました。
Q5-4 画像サイズは、何種類製作し、それぞれサイズはどのくらいか。(例:4000×5000pixel …など)
A5-4
〈近代デジタルライブラリー〉
現在は、8ビットグレースケールでA4サイズで復元したサイズに対して350dpi相当です。明治期刊行図書については、モノクロ2値、A4サイズで復元したサイズに対して400dpi相当でした。
〈貴重書画像データベース〉
次の通りです。
保存用(平成16年[2004]度以前作製):4×5判・ブローニー判・35mm判いずれのフィルムからも6種類(128×192 pixel、256×384 pixel、512×768 pixel、1,024×1,536 pixel、2,048×3,072 pixel、4,096×6,144 pixel。8×10判フィルムからは、11,200×14,000 pixel。
保存用(平成17年[2005]度以降作製):4×5判フィルムからの画像は1,500dpi。ブローニー判は2,000dpi。
公開用:2種類(1,024×1,536 pixelと128×192 pixel)
Q5-5 その画像サイズにした理由は何か。
A5-5
〈近代デジタルライブラリー〉及び〈貴重書画像データベース・公開用〉
ある程度拡大しても閲覧に耐えられ、かつファイルサイズをできるだけ小さくするためです。
〈貴重書画像データベース・保存用〉
『国立国会図書館資料デジタル化の手引き』に準じたものです。平成16年度以前については、主にフォトCDの仕様です。
〈共通〉
保存形式、画像サイズ等の選定の詳細については、『国立国会図書館資料デジタル化の手引き』(http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/digitalguide.html)をご覧ください。
Q5-6 メタデータは何か。(例:METS、PREMIS …など)
A5-6
〈近代デジタルライブラリー〉
独自形式です。NDLのJAPAN/MARC(M)に準じています。また、JPEG2000のXML-BOXへの記述も行なっています。NDLデジタルアーカイブシステムに移行した後は、NDLデジタルアーカイブシステム・メタデータスキーマ
( http://www.ndl.go.jp/jp/standards/da/index.html )を適用する予定です。
〈貴重書画像データベース〉
「近代デジタルライブラリー」に準じつつ、簡略化しています。一部、JPEG2000のXML-BOXへの記述も行なっています。
Q5-7 そのメタデータを採用した理由は何か。
A5-7
〈近代デジタルライブラリー〉
既に作成されているNDLの書誌データを効率的に流用することを重視しました。
〈貴重書画像データベース〉
将来的に、システム間の整合性を取り易くすることを考慮しました。
Q5-8 メタデータの詳細項目は、具体的に何か。(例:タイトル、著作権者 …など)
A5-8
〈近代デジタルライブラリー〉
タイトル、タイトルよみ、出版事項、形態、NDC分類、著者標目、著者標目よみ、全国書誌番号、請求記号、西暦年、目次情報、著作権情報
〈貴重書画像データベース〉
和漢書と絵図…タイトル(漢字形・よみ)、著者名(漢字・よみ)、請求記号
錦絵…タイトル(漢字形)、著者名(漢字)、請求記号
Q5-9 撮影時に、カラーマネジメントはどのように行なっているのか。(例:カラーチャートとグレースケールを書籍と一緒に撮影…など)
A5-9
〈近代デジタルライブラリー〉
NDLにて保存のために撮影済みのマイクロフィルムをスキャニングしているため、特にカラーマネジメントは行なっていません。
〈貴重書画像データベース〉
カラーチャートとグレースケールを資料と一緒に撮影しています。納品物検査の際に、色調がおかしい場合は再納品を要求しますが、特に個別の調整は行なっていません。
Q5-10 撮影時に、そのカラーマネジメント方法を採用した理由は何か。
A5-10 ─
Q5-11 カラーマネジメントのために、画像処理はどのように行なっているか。(例:MacのPhotoshopで実物と比較しながらモニターと実物を近づけ明度・彩度を調節する。…など)
A5-11 ─
Q5-12 そのカラーマネジメントは、なぜ画像処理をする必要があるのか。
A5-12 ─
Q5-13 画像データの保存媒体は何か。(例:フォトCD、DVD、HD …など)
A5-13
〈近代デジタルライブラリー〉
保存用画像はDVD-R、提供用画像は近代デジタルライブラリーシステムのHD(ハードディスク)に収載しています。
〈貴重書画像データベース〉
保存用画像はフォトCDあるいはDVD-R、公開用画像はCD-R及び貴重書画像データベースシステムのHDに収載しています。
Q5-14 その保存媒体を採用した理由は何か。
A5-14
〈近代デジタルライブラリー〉
普及度と規格としての安定性及び、特にデータ容量を考慮しました。
〈貴重書画像データベース〉
DVD-R、CD-Rについては同上。フォトCDについては、保存形式と一体であるためです。
Q5-15 データ更新頻度とその方法。(例:DVDは5年毎に媒体更新…マイグレーション方法は…など)
A5-15 媒体更新は今のところ予定はありません。将来的にはNDLのデジタルアーカイブシステムへ移行し、長期保存・長期利用保証を実現する想定です。
Q5-16 そのデータ更新頻度とその方法を採用した、理由は何か。
A5-16 ─
Q5-17 アナログ記録媒体の保存方法。(例:35mmカラーポジフィルムを室温・湿度を管理した保管庫に収蔵…など)
A5-17
〈近代デジタルライブラリー〉
16mmDD(Direct Duplicating)ネガフィルムを室温・湿度を管理したNDL書庫に収蔵しています。また、マスターネガについては、マイクロフィルム保存に最適化された室温・湿度を維持している、NDLマイクロ保管庫に収蔵しています。
〈貴重書画像データベース〉
全て正副2枚で1セットとなっています。正本(保管用)の方は、NDLマイクロ保管庫に収蔵し、副本(利用提供用)は室温・湿度を管理したNDL書庫内に収蔵しています。
Q5-18 その保存方法を採用した理由は何か。
A5-18
〈共通〉
全てをマイクロ保管庫に収蔵することが理想ですが、マイクロ保管庫は建設・維持コストが非常に高いため、フィルムの世代等を考慮した段階的な対応としています(例えば、DDネガはマスターネガから作成した2世代目)。ただし、NDLの場合、通常の書庫であっても、温湿度変化が最小限に抑えられているため、保存環境としては比較的良好です。
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