あまり書く機会がないので、ここで福岡市美術館の常設展示とコレクションのことなどを少し。
今当館の常設展示(2階/近現代美術)を訪れると、まず中ハシ克シゲの《Nippon Cha Cha Cha》(1993)の巨大な小錦像に出くわすはず。チケットブースをぬけるとすぐにアニッシュ・カプーア《虚ろなる母》(1990―91)、さらにアンゼルム・キーファー《メランコリア》(1989)、そして近現代美術室の正面にはジュゼッペ・ペノーネ《大理石の皮膚――アカシアのとげ》(2001)と、大型の現代美術作品が出迎えてくれます。福岡市美術館の近現代美術部門では長らく現代美術収集と展示を続けてきたのですが、特にここ数年、現代美術作品の収集を強化し、ペノーネや中ハシのほか、戸谷成雄、中村一美、そして原口典之や関根伸夫など70年代以後活躍した作家たちの代表的な作品をフォローしてきました。
さらに昨年度は、今日の絵画動向を語る上で欠かすことのできないドイツの画家、ジグマール・ポルケの大作《Nessi Has Company II》(2003)を所蔵することができまして、かつての常設からは大きく様変わりしたと思います。しかし困ったことが……。作品が大きい、重い、しまうのが大変……場所も手間も。もうひとつの悩みが集客。さすがに特別企画展にはまあまあお客さんはきてくれますが、どこもそうだと思いますが、常設展示の広報費はないも同然。どうやったら普通のお客さんにアピールできるのか? 展示のアクロバットではったりかますしかないか(なんのこっちゃ)。8月下旬には大きく展示替えしますので、みなさんどうかお金をじゃんじゃん使って(しつこい)、9月、10月は福岡へどうぞ(当館ほか、FT3、九州国博、それから……)。