サーカス展─解き放たれたイメージ─
印象派の作家たちは、軽業師や道化師に共感し、芸人たちの身体表現の造形的魅力をとらえた作品を描いています。彼らに続き、ピカソ、ルオー、ビュフェらは、サーカス芸人に自分の姿を重ね、人間の内面性を作品に表現しようと試みました。一方日本では、安井曽太郎、東郷青児、海老原喜之助らがフランスに留学し、現地で実際にサーカスを見て触発された作品を描きました。国内でも、長谷川利行、川西英、恩地孝四郎らが来日した巡業サーカスに感銘を受けた作品を手がけています。それぞれ表現方法は異なりますが、解き放たれた異空間へと私たちを導く道化師への親近感や、技の限界に挑戦する軽業師への敬愛の念はともに共通しています。
本展覧会は、9人の海外作家と18人の国内作家によるサーカス・イメージの作品約90点を紹介し、子どもも大人もワクワクさせるサーカスの魅力をそれぞれの作家の眼と心を通して堪能していただこうとするものです。 |
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