冬の彼方に
──高原の画家 田村一男の世界
信州の自然を描き続けた画家、田村一男(1904-1997)。「山のかたちを借りて、自分の気持ちを語りたい。」そう語る田村が、もっとも多く描いたのは冬の山々、とくに雪景色でした。…昼は額縁店で働き夜は本郷絵画研究所に通って絵を学んでいた田村は、20歳のとき友人に誘われ初めて信州を訪れます。東京都中野区に生まれほとんど旅をしなかった青年が、初めて目にした広大な自然。その衝撃と感動は、生涯を通し彼の心を捉え続けました。高原を描いた作品で第9回帝展(1928年)に初入選、その後光風会にも入選を果たし、田村は専業画家として歩み始めます。…「長野県に私の美術館ができたらと、それが私の夢だ。」晩年そう語った田村の希望は、松本市美術館 田村一男記念室として実現します。そのなかから約30点、信州の地に受け継がれた田村一男コレクションの魅力を「冬」世界で構成し展観します。[広報資料より]
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