小吹隆文/福住廉 |
|
6/20-6/24 |
|
|
|
|
いまふくふみよ展 回帰する時間(とき)
6/20〜25 アートスペース虹[京都] |
|
|
|
|
無数の真鍮の棒を繋いでできた構造体に、花や葉のようなパーツを接合したインスタレーション。接着剤を一切使わないため非常に華奢で、少しの風でふわりと揺れる。その繊細ではかなげな姿に、まるで桜の花が散る時のような感興を憶えた。会期後、作品はパーツ毎に分解され、別の展覧会の時に再び新たな構造体となってよみがえる。その存在自体が、作りっぱなしのアートに対する異議申し立てのようにも感じられた。
[6月20日(火) 小吹隆文] |
|
|
|
|
末藤夕香展
6/19〜7/1 画廊編[大阪] |
|
|
|
|
フランスで入手したアンティーク・タイルや額縁、紙を素材にした作品を発表。タイルを接写し、古紙にプリントした後、メディウムを塗って仕上げた作品は、写真でも陶器でもない不思議な「質感」が特徴だ。作品の端のめくれが物質感を強調するが、真横から見ると非常に薄っぺらく、そのギャップもまたユニーク。何とも掴み切れない表現なのだが、不思議な「質感」が後を引き、忘れられない。
[6月22日(木) 小吹隆文] |
|
|
|
|
西野達 天上のシェリー
6/2〜8/31 メゾンエルメス8階フォーラム[東京] |
|
|
|
|
銀座のど真ん中、しかもラグジュアリーブランドの頂点に立つエルメスの旗艦店の最上部に出現したのは、なんともチープで軽薄な装いの少女の個室。ベッドの上に突き出た「白馬の騎士」の粗雑なつくりが、この空中に浮かぶ空間全体の安っぽさに拍車をかけ、少女の夢物語を過剰に演出している。この物語が階下でうごめく高級ブランドをめぐる欲望と通じ合っていることを考えると 、この作品は、いわゆるフェミニズム的なアプローチとはまったく異なるやり方で、現代社会の「女」のリアルな姿を的確にとらえることに成功しているといえる。欲望の物語は慇懃なドアマンの横を通り抜ける、その瞬間からはじまっている。
[6月22日(木) 福住廉] |
|
|
|
|
山崎史生『静かな隣人』
6/21〜7/8 スペースギャラリーラウンディッシュ [大阪] |
|
|
|
|
鶏、牛、豚、馬の頭部と人間の子供の身体が合体した像4点と、人間の頭部と雀の身体の小像2点、巨大な馬の頭部が1点。いずれも彩色された木彫作品だ。これらは、人の生活に不可欠なのに日頃省みられない存在(=静かな隣人)を表しているという。同時に、子供の頃テレビで見たヒーロー物の悪役怪人や、宗教説話の魔物のイメージも重ねられている。確かなテクニックと重層的なイメージが醸し出す、豊かな寓話性を感じる表現だった。
[5月22日(月) 小吹隆文] |
|
|
|
|
城戸孝充 水
6/12〜6/24 マキイマサルファインアーツ[東京] |
|
|
|
|
水の流動性を形象化する作家。今回の展示では、螺旋状に渦を巻く水をインスタレーションとしてではなく、映像作品として見せている。規則的な運動性によりつつも、決して同じ動きを反復することなく多様な形を見せる渦巻きは、見ていてほんとうに飽きない。
どこかのカフェやバーでの鑑賞にも堪えられるほどだ。
[6月24日(土) 福住廉] |
|
|
|
|
Tokyo East Perspective 「墨東写真展」「すみだ職人列伝」
6/17〜7/1 鈴木興産1号M倉庫[東京] |
|
|
|
|
倉庫を利用したいわゆるご当地系の写真展。東京の墨東エリアの写真を歴史的な時間軸に沿ってかき集め、あわせて現在の 当地の職人たちを写した写真も展示している。昨今の昭和回顧ブームのせいか、小規模な展示構成のわりには多くの来場者を集めていたが、こうした自発的・自主的な展覧会の取り組みは、ポスト美術館の時代を考える上で、非常に示唆に富んでいる。面白い展覧会がなければ面白い展覧会を作ってしまえばよいのだし、それは身の丈に応じた資本と人的なネットワークがあれば、基本的に誰にでもできるのである。おそらく写真展は、そのはじまりとしては絶好の形式なのだろう。
[6月24日(土) 福住廉] |
|
|
|
|
町田久美
6/6〜7/1 西村画廊[東京] |
|
|
|
|
町田久美の新作展。身体と異物の融合ともいうべきモチーフが多く見られたけれど、この点に限っていえば、技法は異なるとはいえ、束芋の関心と通底しているように思えた。
[6月24日(土) 福住廉] |
|
|
|