小吹隆文/福住廉 |
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6/26-7/6 |
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三つの個展 伊藤存×今村源×須田悦弘
6/27〜9/18 国立国際美術館[大阪] |
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3作家の個展を同一会場で並列的に行うというユニークな試み。全体を一つのテーマで括ることは可能だったが、敢えてそれを行わないことで、互いの世界がより自由に響き合う空間を作り出すことに成功した。3人に共通するのは、繊細さ、空間全体に作用する力、ある種のエレガントさだが、同一会場で見比べると個性の差が浮き彫りになって興味深い。個人的には、伊藤存の作品を美術館で25点も見られたことが収穫。刺繍云々といった技法的なことよりも、奔放に溢れ出るイマジネーションを目いっぱい体感できたことが嬉しかった。
[6月26日(月) 小吹隆文] |
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雨宮一夫「EARTH WORKS」
6/23〜7/28 ビッグストン・ギャラリー[大阪] |
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中判フィルムで泥やひび割れた地面を接写し、黒のグラデーションが美しいモノクロ写真に仕上げている。タイトルのEARTH WORKとは、地面を撮っていることと、画像が人工衛星から見た大河や山脈のようにも見えることに由来しているらしい。ミクロコスモスを捉えた作品を通して、万物を貫く普遍的な法則に思いを馳せた。
[6月29日(木) 小吹隆文] |
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Project 629 ♯6 BLOOD
6/29〜7/2 海岸通ギャラリー・CASO[大阪] |
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デザイン畑のクリエーター達が「年に一度は好きなことやろう」と始めた企画展。6回目を迎え、作家や作品も多様化。当初あったデザイナー臭もあまり感じられなくなった。見所は、これでもかと繰り出される大作群。特に東學&鉄秀による横幅9メートルの《麒舞羅(キマイラ)》をはじめとする3作品は、圧倒的なパワーで観客の目を釘付けにした。繊細な作品が主流の昨今のアート界では滅多に見られない、カタルシスに満ちた展覧会だった。
[6月29日(木) 小吹隆文] |
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夢をみる夢─13月の日記─
6/21〜7/2 ギャラリーRAKU[京都] |
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大崎のぶゆき、高橋耕平、田中さつきによるテーマ性の濃い展覧会。「現実と虚構の境界が曖昧な現代に生きること」をテーマに、3人が交代で「13月の日記」を書き、その内容に沿った作品を出品した。複雑で凝ったテーマのため、全体としては「見る」より「読む」の趣。その中で、大崎の《water drawing》が強く印象に残った。水溶性の紙に描いたドローイングが溶けていく映像なのだが、確実と思われた物が崩壊する瞬間の儚さ、虚無感が鮮やかに表現されており、今後の展開に大きな可能性を感じた。
[7月2日(日) 小吹隆文] |
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國府理展
6/27〜7/9 アートスペース虹[京都] |
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國府理の作品は、メカ大好きな少年心とナンセンスなユーモア、そして良質なポエジーに満ちている。本展では、映画『紅の豚』の主人公の愛機よろしく、頭上にプロペラを取り付けた軽自動車が登場。運転席に座り、念を入れると(?)とプロペラが回り始める。会場にいた大人も子供も大盛り上がり。私も愉快痛快な作品に心躍らせてしまった。
[7月2日(日) 小吹隆文] |
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小橋陽介展
7/3〜15 ギャラリーDen[大阪] |
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ヌードのセルフポートレイトを登場させた絵画作品で知られる小橋陽介。自己像を作品に用いる場合、内面との対話がテーマとなることが多いが、小橋の場合は別。イマジネーションをストレートにビジュアル化し、自分にとって「嘘のない描く行為」を実現するための客体化されたモチーフなのだ。本展では、昨年から始めた群像表現を駆使し、一段と多様化した世界と、今後の新表現に繋がる可能性を垣間見せてくれた。
[7月3日(月) 小吹隆文] |
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パンタロンのアトリエ訪問
6/28〜7/30 PANTALOON[大阪] |
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画廊オーナーが居城純子(平面)、大西康明(彫刻、写真)、曽田朋子(ファイバー)のアトリエに赴き、新旧問わずセレクトした作品で空間を作り上げた展覧会。本来別々の意志で作られた作品が、一体的なインスタレーションとして美しく機能していた。企画者のコンセプトが出しゃばるのではなく、作品を引き立てることに専心したキュレーションは小気味よいし、本来の姿ではなかろうか。
[7月6日(木) 小吹隆文] |
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