小吹隆文/福住廉 |
|
3/20〜3/29 |
|
笹倉洋平展 つたふ
3/20〜4/1 ニュートロン[京都] |
時には奔放に、時には力強く、そして時には繊細に。自由自在な線描を駆使した絵画作品で知られる笹倉洋平。本展では、天地1.35メートル×横幅7.5メートルにも及ぶ大作が出品された。モチーフは植物のツタで、その暴力的なまでの生命力と豊かな象徴性(生命、繁茂、不滅の愛、別れ、境界など)が彼のインスピレーションをいたく刺激したらしい。ひたすら密集・拡散を繰り広げる線描の、力強さと構築力が印象深い。
[3月20日(火) 小吹隆文] |
|
植松奎二展──螺旋の気配から
3/17〜4/14 ノマル・プロジェクトスペース キューブ&ロフト[大阪] |
銀河系からDNAまで、森羅万象に宿る“螺旋”をテーマにした新作展。全長8メートルに達する立体の大作から発せられる骨太なグルーヴと、一気に描かれた100点ものドローイング(展示されているのは50点)の対比が面白い。ベテランながら枯れることを知らない制作意欲に、アーティストとしての地肩の強さを実感した。
[3月22日(木) 小吹隆文] |
|
飯田淑乃展
3/24〜4/21 CAS[大阪] |
ある時は京都市長候補「桃山へレン」。ある時はOLアイドル「船場みずき」。そしてまたある時は長崎を舞台にした演歌歌手「女の都まりこ」。三つのキャラになり切った活動を、記録映像やCD、小道具などで紹介している。この手の表現のキモは本人の没入度。人生を捧げるぐらいの覚悟でやらないと、悪ふざけの一言で片付けられてしまう。現時点の彼女は正直未知数。今後どこまでエスカレートできるかが鍵となる。
[3月26日(月) 小吹隆文] |
|
はまぐちさくらこ展「のれ、黄色いこどもたち」
3/27〜4/1 ギャラリーはねうさぎ[京都] |
GEISAIや『みづゑ』での入賞経験があり、村上隆が海外のアート雑誌で言及したこともある若手画家。その作風は退行系或いは脱力系とも言うべきもので、一見居直った観もなくはない。しかし、よく見ればきちんとツボは押さえており、実はオリジナリティ豊かな絵画作品である。作風ゆえ一過性の流行と見なされる懸念があるが、意に介さず今の鮮度のまま突っ走って欲しい。
[3月27日(火) 小吹隆文] |
|
貝川開個展「青いこだま」
3/29〜4/24 オソブランコ[大阪] |
溶かした蜜蝋を満たしたバットに紙を何度もくぐらせて下地を作った後、青い顔料をこすり付けて定着させた作品。製作過程で発生した樹皮や年輪を思わせる模様と、画面にしっかり食い込んだ青が、一種瞑想的な空間を作り出している。今まで彼の小品しか知らなかったが、大作でも十分持つなと思った。
[3月29日(木) 小吹隆文] |
|
|
Index |
|
|