小吹隆文/福住廉 |
|
3/20〜3/29 |
|
度會保浩展
4/10〜28 イムラアートギャラリー[京都] |
フラスコなどの実験用具をモチーフにした立体を出品。作品は、石膏の塊からろくろで削り出したり、白磁の円盤をはんだ付けで繋ぎ合わせて作られている。機能美の典型である実験用具を実用性ゼロのアート作品に置き換えることで、ある種のユーモアが発生。細部まで徹底されたシャープな造形がその洒落っ気を下支えしている。
[4月10日(火) 小吹隆文] |
|
綿引恒平展 第A期 観音様
4/10〜15 立体ギャラリー射手座[京都] |
戦隊ヒーローと観音様を融合させた摩訶不思議な陶立体が5点。慈悲の心で衆生を救う観音様と、正義の力で悪をくじく戦隊ヒーロー。救済という意味では共通する両者だが、その方法は真逆である。もっともらしい理由で行き過ぎた軍事力や宗教の行使が正当化される現状を皮肉たっぷりに造形化した作品だった。観音様のプロポーションを自分自身から採寸し同比率にするなど、テーマと自己の関連付けも抜かりない。
[4月10日(火) 小吹隆文] |
|
涌田優樹展
4/10〜15 ギャラリーすずき[京都] |
一見オーソドックスな具象風景画。しかし涌田は、写生も写真も用いず、記憶のみを頼りに作品を描いている。当然再現的な作品ではなくなるが、かと言って風景に精神性を仮託するロマンチシズムでもない。昨今のコンセプト偏重傾向にささやかな風穴を開け、分節化された絵画表現を再統合したい。そんな意図から生まれた“敢えてオーソドックス”なのである。
[4月10日(火) 小吹隆文] |
|
様々なる祖型 杉本博司 新収蔵作品展
4/7〜6/24 国立国際美術館[大阪] |
同館が新たに収蔵した《建築》《観念の形》シリーズに、既収の《肖像写真》シリーズ1点を加えた12点で構成。展示プランも本人の手による。会場中央に5つの巨大な角柱を設け、その前・後面と展示室壁面に一直線に作品を配置。《肖像写真》のみ異なる場所に仰ぎ見る角度に掛けてアクセントをつけている。作品自体の魅力、広大な空間、シンメトリーな配置、計算された照明などが相乗効果を発揮し、神殿を思わせる荘厳な空間を美術館内に出現させた。遮光のため会場入口に設置された(と思しき)白布がいかにも後付けでチープだったのが唯一残念。
[4月12日(木) 小吹隆文] |
|
寺島みどり展
4/16〜21 Oギャラリーeyes[大阪] |
色面を重ねた一見シンプルな抽象画。下層の色により上層の発色を際立たせているが、画面上での混色は行なわず、絵具が乾いた後に次の層を塗り重ねている。オールオーバーなのに、じっくり見ていると地平線を思わせる広大な空間が現れるのが目に楽しい。不思議なタイトルと作品のギャップもこちらの想像力を刺激してくれる。
[4月16日(月) 小吹隆文] |
|
|
Index |
|
|