小吹隆文/福住廉 |
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5/5〜5/6 |
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今村源 わたしとシタワ
5/5〜17 信濃橋画廊[大阪] |
回文のタイトルに惑わされたが、作風が一変したわけではない。キノコ、地下茎、自分をモデルにした人物像などお馴染みのモチーフを使用した立体作品で、今村独自の宇宙観が展開されていた。それは一種陰陽思想にも通じるもので、肉体と精神、光と闇、地上と地下など、万物が孕む相反する要素を象徴的に表わしたものだ。こう書くといかにも小難しいが、造形にはひょうきんな部分もあり、視覚的な楽しさを犠牲にしない所が嬉しい。今回の作品のなかでは、古いロッカーからキノコ状の形態がニョキニョキ生えた作品と、人物像の回転により全体がぷるぷる震える立方体の作品がとりわけ印象深かった。
[5月5日(月) 小吹隆文] |
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川内真梨子展 鹿曼荼羅
5/6〜11 ギャラリーはねうさぎ[京都] |
奈良・興福寺の阿修羅像と八部衆像をモデルに、鹿の頭部と曼荼羅を模した幾何学模様でアレンジした平面作品。模様の一部には截金(きりがね)という工芸技法も用いられている。仏像&曼荼羅という宗教的主題を用いながらも、鹿の描き方が漫画的だったり、幾何学模様が今風だったりと、伝統と現代が混交しているのが面白い。
[5月6日(火) 小吹隆文] |
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大谷かほる展 diary2
5/6〜11 ギャラリーはねうさぎ[京都] |
画廊の壁面を覆う165点の正方形の版画作品。描かれているのは幾何学的な模様や英単語、植物の一部を思わせる有機的な形態など様々で、色彩は端から順に黒〜紫〜赤〜白のグラデーションを成している。リノカットで作られているのだが、奥行き感やエッジのぼやけ方が独特なのが興味深い。紙ではなく綿布に摺っているためであろうか。また、作者は文学からインスピレーションを得ることが多く、本作もアメリカの詩人、メアリー・オリバーの作品からインスパイアされている。
[5月6日(火) 小吹隆文] |
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