2019年09月01日号
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《ブルジュ・ハリファ》

Burj Khalifa

2010年にアラブ首長国連邦のドバイに落成したホテル、マンション、オフィスを備える超高層建築。高さは828メートルあり、台湾の《台北101》(2004)の508メートルを超えて、2012年現在、世界一の高さを誇る建物となった。設計はアメリカの設計事務所SOM(スキッドモア・オーウィングス・アンド・メリル)が担当している。デザインは砂漠の花、ヒメノカリスをイメージし、地域の独自性を演出した。また、高さは施行段階に移った以降も「800メートルを超える見込み」といった曖昧な表現に終止し、現場で高さを上方修正しつつ、あくまで世界一にこだわった。2000年代後半、潤沢なオイルマネーに裏打ちされたドバイでは続々と巨大プロジェクトが生まれた。《ブルジュ・ハリファ》はそれらを代表する、もっとも高いランドマークである。資本主義経済のもと推進された建築群は、ドバイに石油以外の価値を付加するために、ザハ・ハディドやノーマン・フォスターなど著名な建築家を起用し、わかりやすくアイコン化されたデザインを求めている。しかし、砂漠における建築のユートピアも、2008年のリーマン・ショック以降、金融危機の煽りを受ける。当初「ブルジュ・ドバイ」と呼ばれた名称が変更されたのも、財政難に陥った時に経済的援助を申し出た当時のアラブ首長国連邦大統領ハリファ・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンの名前に由来している。グローバル資本主義によって進められた欲望の誇示としての超高層建築のプロジェクトは、《ブルジュ・ハリファ》の完成によってひとつの到達点を示している。

著者: 椚座基道

参考文献

  • 『日経アーキテクチャ』2007年7月23日号, 「ドバイ特派報告」, 日経BP社, 2007

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