2019年09月01日号
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「ディコンストラクティヴィスト・アーキテクチュア」展

"Deconstructivist Architecture"

1988年、フィリップ・ジョンソンの呼びかけにより、ニューヨーク近代美術館において、フランク・O・ゲーリー、ダニエル・リベスキンド、レム・コールハース、ピーター・アイゼンマン、バーナード・チュミ、コープ・ヒンメルブラウ、ザハ・ハディドの7組が出品した展覧会。彼らの作品のなかには、壁が歪んだり、傾いていたり、ときには壊れているかのような形態を持つものもあった。アイゼンマンやチュミが自らの作品を、フランスの哲学者であるジャック・デリダが唱えたディコンストラクション(西洋の思想に潜む構築性の概念を批判・解体しようとする態度)の思想に基づいて説明したことから、ジョンソンはこのような断片的、不安定、破壊的といったスタイルを「ディコンストラクティヴィズム」と名づけた。ディコンストラクティヴィズムの建築は形態の問題として取り上げられがちであるが、もともとコールハースやチュミが関心を寄せていたのは、「出来事」や「プログラム」といった、空間内で予期せず生じる事柄や形態を作り出す条件の組織化であった。彼らの関心や実践は、建築にまつわる思考を再検討するという意味で重要であるとともに、後に90年代に入ってから表層的な記号や象徴性に固執する建築とは異なる新たな動向を生み出していく。

著者: 上杉昌男(大阪市立大学倉方研究室)

参考文献

  • 『日本建築学会計画系論文集』, 「展覧会:ディコンストラクティヴィスト・アーキテクチュアとその背景」, 入江徹, 日本建築学会編, 2002
  • 『新建築』1988年10月号, 「P・ジョンソンの新たな戦略」, 丸山洋志, 新建築社
  • 『ディコンストラクション』, クリストファー・ノリス(荒木正純、富山太佳夫訳), 勁草書房, 1985

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