2019年06月15日号
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「20世紀美術におけるプリミティヴィズム」展

"'Primitivism' in 20th Century Art: Affinity of the Tribal and the Modern"

1984年9月27日から翌年1月15日までニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された、W・ルービンによる企画。副題は「部族的なるものとモダンなるものとの親近性」。ピカソやブランクーシといったモダンアートとトライバル(部族の)アートとを、主に外見上の類似に基づいて「親近性」のもとに併置することで芸術の普遍性を訴え、「プリミティヴ(原始)」の語の持つ差別性を検討する(「トライバル」の語はこのために採用された)試みで、同じ「ミュージアム」でありながら互いに距離を開けていた近代美術館と民族学博物館が出会う企画としては画期的であった。しかしながら、非西欧側は作者名や制作年を表示せず、目的や機能などの文化的コンテクストを無視して同列に「アート」として扱ったことや、「親近性」にこだわったがゆえの限定的で一方的な作品選択などが、むしろ異文化への蔑視や植民地主義といった旧来のイデオロギーを露わにしたものとしてT・マクェヴィリー、J・クリフォードらから批判が起こり、西欧近代の底にある他文化理解、あるいは「近代」そのものを問い直す契機を与えた。5年後にポンピドゥー・センターで開催された「大地の魔術師たち」展は、この議論への反応として企画された。

著者: 成相肇

参考文献

  • 『文化の「発見」』, , 𠮷田憲司, 岩波書店, 1999
  • 『20世紀美術におけるプリミティヴィズム―「部族的」なるものと「モダン」なるものとの親縁性』, , ウィリアム・ルービン, 淡交社, 1995

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