2019年06月15日号
次回7月1日更新予定

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アクション・ペインティング

Action Painting

批評家、ハロルド・ローゼンバーグが『アートニューズ』誌上に発表した1952年の論文「アメリカのアクション・ぺインターたち」で提唱した概念。ローゼンバーグは特定の画家について詳述することを避けているが、ブラッシュ・ストロークやドリッピングといった、描法に特徴的な身振りを伴うJ・ポロックやW・デ・クーニング、F・クラインらの絵画を想定しうる。ローゼンバーグによれば、これらの絵画ではフォルムや色彩、構成、デッサンは補助的なものになり、素材との格闘において、「イメージとは、最終的にひとつの緊張関係である」ことが示される。ローゼンバーグのテキストの行動主義的かつ実存主義的な語調は、当時の美術界で好意的に受け止められたものの、同時に絵画の形式的側面を軽視しているとも見なされ、同時代および後続の批評家からの敬遠を招くことにもなった。しかし、キャンヴァスを出来事(events)が生起する場所として捉え、絵画空間を劇場的な舞台として描き出すローゼンバーグの主張は、絵画制作の原理を劇場的なセッティングのもとに推進した50年代以降のパフォーマンスへの系譜を暗示していた。例えばA・カプローは、ハプニングの系譜の源流にポロックの絵画制作を位置づけている。また日本でも「具体」グループが行為と絵画平面とを直接的に結び付けようとしたことは、アクション・ペインティングのひとつの事例に数えられる。

著者: 沢山遼

参考文献

  • 『行為と行為者』, , ハロルド・ローゼンバーグ(平野幸仁、度會好一訳), 晶文社, 1973

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