2019年10月15日号
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アド・センター(ADセンター)

AD Center

1957年に設立されたデザイン会社。前身となったのは『アメリカン・スタイル全集』などのスタイルブック、『流行』や『装いの泉』などの雑誌を発行していた日本織物出版社で、同社の倒産をきっかけに、社長であった鳥居達也、伊勢丹宣伝課の出身で後に『an・an』のアート・ディレクターを務める堀内誠一などによって設立された(72年に閉鎖)。化粧品広告やパッケージ・デザインなども行なっていたが、歴史的にみれば、ファッション・デザインや雑誌のファッション関連企画、エディトリアル・デザインという面で特に大きな役割を果たした。例えば、47年にクリスチャン・ディオールが発表した「コロール・ライン」(8ライン)や50年のバレンシアガの「バレル・ライン」など、パリのオートクチュール(高級注文服)が提案していたようなラインを日本でも発表しようと、ファッション・デザイナーの長沢節や中村乃武夫、久我アキラらが中心となって「アド・センター・ファッション・グループ(AFG)」を結成し、最初のラインとなる「ハンター・ライン」を57年8月に雑誌『若い女性』の誌上で発表した。年2回発表されたさまざまなラインは60年の第7回で終了したが、アド・センターと雑誌でのファッション企画との関わりはその後も続き、59年の創刊以来『週刊平凡』に連載されていた「ウィークリー・ファッション」では、従来の服飾雑誌に掲載されていた「服を作るための写真」とは異なるファッション写真を掲載するなど、内容のみならずエディトリアル・デザインの側面からも雑誌の変化を促した。このような実験的な姿勢は、『平凡パンチ』の連載「メンズモード」や、日本におけるファッション雑誌の起源のひとつとされる『an・an』の誌面構成へと引き継がれた。

著者: 工藤雅人

参考文献

  • 『都市文化研究』12号, 「日本における『ファッション誌』生成の歴史化 『装苑』から『アンアン』まで/『ル・シャルマン』から『若い女性」まで」, 井上雅人, 大阪市立大学大学院文学研究科都市文化研究センター, 2010
  • 『父の時代・私の時代 わがエディトリアル・デザイン史』, 堀内誠一, マガジンハウス, 2007
  • 『ファッションの歴史』(新訂第3版), 千村典生, 平凡社, 2009

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