2019年12月01日号
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アール・デコ・ファッション

Art Deco Fashion

アール・デコ様式の影響が及んだ1920年代のファッション。一般に、アール・デコのデザインは、有機的な曲線を好んだアール・ヌーヴォー様式に対し、直線や幾何学的形態に特徴づけられるとされるが、そうした造形性はファッションにも及んだ。フランスでアール・ヌーヴォーが頂点を極めた1900年頃には、コルセットを使い、流れるような曲線美を強調したドレスが流行したが、第一次大戦後に迎えた20年代には、コルセットを使わない、ローウエストの膝丈ドレスが登場した。その平坦で直線的なシルエットは、ジャポニスムの流行でヨーロッパに渡った着物の裁断法や、三次元を二次元に再構築するキュビスムの影響ともいわれる。また、機能的でシンプルなデザインが好まれたこの時代、衣服の表面からリボンやレース、フリルなど、過剰な装飾がいっさい取り払われた。こうして現われた大きな平面を飾ったのが、単純な線と形から成る幾何学模様や、極端に様式化された花や動物などの具象的モチーフであった。また、20年代にはダンスが大流行するが、その時に着るドレスには、動きに応じて輝きを放つビーズやスパンコールを使った刺繍が全身に施された。アール・デコの再評価が始まった60年代以降、今日に至るまで、多くのデザイナーがこのような20年代のデザインにインスピレーションを受け、アール・デコ風と称するデザインを発表している。

著者: 朝倉三枝

参考文献

  • Cubism and Fashion, Richard Martin(exh.cat.), The Metropolitan Museum of Art, 1998
  • Art Deco Fashion, Suzanne Lussier, Bulfinch, 2003
  • Les années folles 1919-1929(exh.cat.), Musée Galliera, 2007
  • 『モードのジャポニスム キモノから生まれたゆとりの美』, 京都服飾文化研究財団, 1994

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