2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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インタラクティヴ・アート

Interactive Art

作品と鑑賞者の相互作用に力点を置いた芸術作品の総称。その定義からすぐさま連想されるのは身体性を前面に押し出したパフォーマンスやパフォーミング・アートであるが、一般に「インタラクティヴ・アート」という名称で呼ばれる作品は、高度な情報科学技術を取り入れたメディア・アートと重複するものが多い。たとえば、スタジオ・アッズーロの《コーロ》(1995)や久保田晃弘の《Pureφ》(2008)のように、鑑賞者の挙動が映像や音声に即時的な変化をもたらすタイプの作品が典型的なインタラクティヴ・アートとして挙げられる。こうした例が示唆するように、「インタラクティヴ・アート」という言葉における「インタラクティヴ」とは、一般に鑑賞者の身体的な挙措と、その視聴覚的なフィードバックの関係を指示している。しかし他方、いかなるタイプの作品にも多かれ少なかれ鑑賞者との「インタラクティヴィティ(相互作用)」が存在する以上、「インタラクティヴ」な作品とそうでない作品を原理的に区別するのは不可能であると言うこともできる。つまり、鑑賞者に具体的な所作や介入を要求するタイプの作品が「インタラクティヴ・アート」と便宜的に呼ばれているとしても、それ以外の作品がそうした相互作用を内包していないということにはならない。したがって、ひとつのジャンルとしてのインタラクティヴ・アートというものが存在する一方、より広義における芸術作品のインタラクティヴィティは、あらゆる作品体験に不可欠なものであるということに留意しておく必要があるだろう。

著者: 星野太

参考文献

  • 『スタジオ・アッズーロ<タンブーリ>  開かれたインタラクティヴ・アート』, NTT出版, 2001

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