2019年08月01日号
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エコロジーとアート

Ecology and Art

「エコロジー」という言葉は、住居や家庭を意味する「オイコス」と、論理や哲学を意味する「ロゴス」を合成してつくり出された「エコロギー(Oekologie)」が語源である。もともとは生態学を意味していたが、1960年代以降、急速に進んだ環境破壊や公害を受けて、「エコロジー」は環境保全や環境保護の意味として使われるようになった。アートにおいて「エコロジー」という言葉は「環境、自然を使った」というニュアンスで用いられることが多い。60年代に盛んになったランド・アートやアース・ワークにおいて、作家は風景を描くのではなく、風景そのものを支持体や素材として彫塑やインスタレーションなどの作品としていったが、それらはエコロジーとアートとの関わりを示す例といえよう。80-90年代になり、世界的に環境問題への意識が高まっていくなかでアーティストたちは、微生物などのナノレヴェルから地球や宇宙といった超巨大スケールまでの科学とアートを結びつけ、同時に、写真、映像、音(楽)、あるいは、ワークショップ、パフォーマンスなどさまざまな制作形態で作品を発表するようになっていった。こうした近年見られるエコロジーを扱ったアートでは、環境破壊に対する批判というよりも、むしろ「いかに自然や環境と私たちは共存するか」ということをテーマにした作品が多い。そしてアートを通じて、政治、社会、経済とも関係するエコロジーについて考えさせるという側面もあることが特徴といえよう。

著者: 藤田千彩

参考文献

  • 「エコ&アート アートを通して地球環境を考える 近くから遠くへ」展カタログ, , , 群馬県立館林美術館, 2009
  • 『frieze』2007年6・7・8月号, , , frieze,

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