2019年08月01日号
次回9月2日更新予定

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コントラクション・アンド・リリース

Contraction and Release

マーサ・グレアムが考案した呼吸を基礎にするモダン・ダンスの代表的なテクニック。動作をする身体の基本的で物理的な働きとして、息を吸うことと吐くこととがあるが、息を吸うときに身体は弛緩(release)し、息を吐くときに収縮(contraction)する。この活動を意識的に行なうのであるが、具体的には、床のエクササイズにおいて身体の中心である腹部に集中して、実際の呼吸に合わせて呼吸による身体の弛緩と収縮を行なう。すなわち軽く脚を前に出して座った状態で、息を吐くと脊椎の下の方(腰椎)が丸く曲がる。今度は腰椎から脊柱を垂直にするように息を吸い込むと背中がまっすぐになる。この状態を身体動作の基礎とするのである。そこからさらに呼吸から独立して筋肉の動きだけで弛緩と収縮を行なってゆく。こうした運動は運動感覚に訴えるところがあり、《天使の戯れ》(1948)などグレアムの諸作品に活用されている。また、ダンスだけではなく、演劇における俳優の演技法として用いられることもあった。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『血の記憶 マーサ・グレアム自伝』, マーサ・グレアム(筒井宏一訳), 新書館, 1992
  • Modern Dance Terminology, Paul Love, Princeton Book Company, 1997(原著1952)
  • 『図解ホセ・リモンのダンス・テクニック』, ダニエル・レヴィス(林信恵、中島美智子訳), 1993(原著1984)

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