2019年11月15日号
次回12月2日更新予定

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サロン

Salon(仏)

美術用語で「サロン」というと、一般的にフランスにおける「官展」を指す。「官展」とは官設展覧会の略で、1648年に設立されたフランス王立絵画彫刻アカデミー主催による展覧会のことである。67年にアカデミーの保護会長を務めていたジャン・バティスト・コルベールと同組織内での覇権を確立していたシャルル・ル・ブランによって最初の展覧会が開催された。この展覧会を「サロン」と呼ぶに至ったのは、ルーヴル宮の「サロン・カレ(方形の間)」で開催されたことに由来する。67年に創設されて以降、何度かの中断をはさみつつ、フランス革命が起こる1789年までほぼ隔年開催された。当初、出品はアカデミー会員のみに限られていたが、大革命の後、一時的に無審査となるなど幾度か方針の変更などを経て、政府主催、審査制度により一般の参加も認められるようになった。サロンは大衆に開かれた唯一の展覧会であったため、アカデミーの規範こそが芸術の規範であると知らしめることとなった。またサロンと大衆の架け橋となったのがサロン評である。ドゥニ・ディドロやシャルル・ボードレールによる批評が、主要なサロン評として知られている。第二帝政期以降のサロンは保守的なものとみなされ、なかでも厳しい審査により落選者が相次いだ1863年のサロンには抗議が相次ぎ、やむなくナポレオン三世の肝いりで「落選者展」が開催された。81年、サロンは民営化され「フランス芸術家協会」となり、90年には「国民美術協会」が独立した。
他方で、サロンはもともと「客間/居間」を指し、それが転じて、17-19世紀のフランスで上流階級の婦人が中心となって催された文学・芸術・政治・思想・科学・風俗などさまざまな分野に関する社交の場をも意味する。このようなサロンは、通常、主宰する婦人の名で呼ばれ、文化的活動の中心的役割を担っていた。

著者: 小野寛子

参考文献

  • 『西洋美術研究No.2』1999年9月号, 特集=美術アカデミー, 三元社

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