2019年06月01日号
次回6月17日更新予定

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シェーカー・デザイン

Shaker Design

シェーカー教のコミュニティで生まれた生活プロダクトのスタイル。プロテスタントの一派であるシェーカーの出自はイギリスだが、彼らは新世界であるアメリカの地で独自のライフスタイルを築き上げた。シェーカーは一般社会から隔絶した場所にコミュニティをつくり、質素、勤勉、労働を重んじ、自給自足、財産の共有、男女平等、独身主義に徹する日常を営んだ。その結果、彼らは木製の家具や手工芸品において優れた成果を残した。それらはもともと閉じたコミュニティのための/におけるハンドメイドまたは家内制工芸の少量生産品であるため、丈夫な作り、簡素さ、機能性、独自の規格化を特徴とし、製品の品質は高い。なかでも彼らのルーツをうかがわせる、コロニアル様式がベースの質実剛健な「ラダーバック・チェア」は有名である。ほかにも共同生活に相応しいテーブルや棚、ベッドなどの家具が産み出され、椅子についてはシェーカーのコミュニティの外で売り出されたため、教団に現金収入と、外界との接点をもたらした。だが、教団としてのピークだった19世紀半ばを境に、シェーカー・デザインは衰退していく。その制作姿勢は、後のアーツ・アンド・クラフツ運動を担った人々の共感を呼ぶものの、シェーカー・デザインに見られる実用性と、その後のモダン・デザインの合理主義・機能主義とは、根本的に異質なものである。

著者: 橋本優子

参考文献

  • 「シェーカー・デザイン」展カタログ, セゾン美術館, 1992
  • 『シェーカー家具 デザインとディテール』, John Kassay(藤門弘訳), 理工学社, 1996

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