2019年06月01日号
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デルサルト・メソッド

Delsarte Method

フランスの音楽教師フランソワーズ・デルサルトが体系化した、身体を表現的に動かすための理論。デルサルトは、キリスト教の三位一体の考え方を背景に、三つ組で身体と心のあり方をとらえる理論を展開した。例えば、身体を「頭部」「胴体」「四肢」に分け、それぞれを「知的」「道徳的」「生命的」であるとした。また、腕を三分割し、手は知的、前腕は道徳的、二の腕は生命的とみなしたように、大別した三部位のそれぞれをさらに細かく三分割しながら、身体と心との関係について考察した。アメリカにデルサルティズムを最初に伝えたのは、デルサルトに直接学んだ唯一のアメリカ人ジェイムズ・スティール・マッケイだった。マッケイに学んだG・ステビンズは『デルサルトの表現システム』(1885)を出版し、アジアや古代ギリシャの神聖な踊りにあるような表現的な動きを自分の作品に取り込んだ。多くのダンサーたちはステビンズのこうした傾向に触発された。なかでも生きた彫刻となってポーズをとる表現やパントマイムといったデルサルティズムを反映した諸形式は、ルース・セント・デニスに決定的な影響を与えた。ヘンリエッタ・ラッセルは、アーツ・アンド・クラフツ運動とデルサルト・ブームをつないだ人物で、彼女の教育は身体運動に限らず、絵画、彫刻、室内装飾に及んだ。ラッセルは、富裕層の子供や大人の女性たちを養成したばかりではなく、デニショーンに講師として招かれもした。デルサルティズムの推進者は衣服の改革も行ない、ステビンズは呼吸を圧迫するという健康上の理由で、ラッセルはそれに加え審美的理由で、コルセットの代わりに緩い衣服を女性たちに推奨した。

著者: 木村覚

参考文献

  • Delsarte System of Expression, Genevieve Stebbins, Edgar S. Werner, 1885

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