2019年10月15日号
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デ・ステイル

De Stijl(蘭)

雑誌『デ・ステイル』とそのグループによって興った造形運動。『デ・ステイル』はピエト・モンドリアンとテオ・ファン・ドゥースブルフを中心として、1917年、オランダのライデンで創刊された。基本理念はモンドリアンが提唱した新造形主義(ネオ・プラスティシズム)で、従来の具象芸術に対して水平線、垂直線、直角、正方形、長方形、三原色、非装飾性、単純性を追求し、客観的で普遍的な表現様式を目指す。彫刻家ジョルジュ・ファントンゲルローやデザイナーで建築家のヘリット・リートフェルトなど多様な分野で活躍するメンバーが参加していたことから、絵画・彫刻にとどまらず、建築やデザインなどの分野においても、モンドリアンの厳格な造形理念が共有された。絵画表面上において直角する形態を用い純粋な抽象を目指したモンドリアンと、空間芸術への展開を視野に入れ対角線を導入しエレメンタリズムを提唱したドゥースブルフが対立し、25年にはモンドリアンはデ・ステイルから脱退する。その後ドゥースブルフ主導で続行されたものの28年に雑誌が刊行中止になり、31年彼の死去をもって活動は終焉を迎える。彼の死後、夫人がドゥースブルフ追悼号として刊行した最終号は90巻目にあたる。『デ・ステイル』は、大戦前の抽象芸術家およびヨーロッパ美術界の活性化に多大なる貢献をしたと言える。抽象表現を追求し、建築やデザインなどの分野にも変革をもたらしたデ・ステイルは、その後のバウハウスへ大きな影響を与えたほか、ダダとロシア構成主義を繋ぐ架け橋となるなど、ジャンルや国境を越えた活動であった。

著者: 栗栖智美

参考文献

  • 「デ・ステイル1917-1932」展カタログ, , セゾン美術館編, 河出書房新社, 1998
  • 『抽象への意志 モンドリアンと〈デ・ステイル〉』, , H・L・C・ヤッフェ(赤根和生訳), 朝日出版社, 1984

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