2019年10月15日号
次回11月1日更新予定

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ハード・エッジ

Hard Edge

平面的な形態と色彩をシャープな輪郭によって処理してゆく絵画のこと。明るく、明確な形態への指向によって筆触や色ムラ、空間性などを排除するという意味では、抽象表現主義の特質とは反対の性質を示すものと説明されることがあり、またそうした動向に後続するかたちで現われた。だが、抽象表現主義には単純な形態やフラットな色面を採用したB・ニューマンの実践があり、またハード・エッジの代表的な作家と目されるE・ケリーの絵画は、時代的には抽象表現主義とほぼ並行して実践されている。「ハード・エッジ」という語はアメリカ西海岸の画家たちの傾向を示すものとして批評家のJ・ラングスナーの企画のもと1959年に開催された「四人の抽象古典主義者」展で初めて使用されたものとされる。この展覧会の海外巡回の際、イギリスの批評家L・アロウェイが「カルフォルニア・ハード・エッジ」という副題を付けたことでその語が普及した。ポスト・ペインタリー・アブストラクション、カラー・フィールド・ペインティングなどの同時代的現象とも様式的な特徴を分かち持っており、同じくL・アロウェイが66年に企画した「システミック・ペインティング」展も同様の傾向を示す作家が参加しているが、一群の呼称のなかでは「ハード・エッジ」がもっとも広く定着したものであると言える。

著者: 沢山遼

参考文献

  • Minimal art: a critical anthology, , edited by Gregory Battcock, University of California Press, 1995

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