2019年12月01日号
次回12月16日更新予定

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ピンホール・カメラ

Pinhole Camera

暗箱の片面に小さな針穴をあけ、そこから入り込む光によって像を得るカメラのこと。レンズは用いない。箱の内側の、穴をあけた側面の反対の側面に印画紙などの感光素材を設置し、穴から入った光が結ぶ倒立像をその上に定着させる。レンズを用いるカメラよりも採り入れることのできる光量が少ないため、長めの露光時間が必要であり、得られる像のディテールにも限界があるが、その素朴な描写力が逆に魅力となり、多くの愛好者を生んできた。特に1960年代以降は、現代美術の分野において、この原初的なカメラをあえて用いる作家が数多く登場した。日本では山中信夫が、部屋全体をひとつのピンホール・カメラに仕立てて撮影を行なうという独創的な試みをしたほか、宮本隆司や鈴鹿芳康、佐藤時啓、田所美惠子などが、ピンホール・カメラを用いて作品制作を行なっている。2001年からは、毎年4月の最終日曜日に、イヴェント「世界ピンホール写真デー(Worldwide Pinhole Photography Day)」が開催されており、また、05年には「日本針穴写真協会(Japan Pinhole Photographic Society)」が、06年には「ピンホール写真芸術学会(Pinhole Photographic Art Society)」が創設された。

著者: 冨山由紀子

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