2019年06月15日号
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フェミニズム演劇

Feminist Theatre

1960年代後半のアメリカで盛り上がった「意識高揚(CR: Consciousness-Raising)」の動向を背景に、女性性への問い直しが女性たち自身によって行なわれるなか、美術やダンスの分野と並んで、演劇の分野においても女性の生き方を見つめ直す実践が試みられるようになった。《ニグロのおもしろ館》(1964)のエイドリアン・ケネディや、「性差別と妥協のない演劇」を目指してニューヨーク・シアター・ストラテジーを創設し《フェフと友だち》(1977)などの作品を発表したマリア・アイリーン・フォルネスが、こうした女性劇作家の先駆的存在として活動した。76年には、ミュリエル・ミゲルが世代や人種、性的指向が異なる女性メンバーたち7人とスパイダー・ウーマン・シアターを結成した。《女性たちと暴力》(1976)で彼女たちは、男性の支配に抑圧される女性たちを自伝的要素と歴史的要素とを用いて描いた。その後、スパイダー・ウーマン・シアターはアメリカ先住民族のアイデンティティをめぐる歴史を扱う者たちと、レズビアン劇団スプリット・ブリッチズを結成する者たちとに分裂した。80年代にはベス・ヘンリー、マーシャル・ノーマン、ウェンディ・ワッサースタインといった女性劇作家が続々とピューリッツァー賞を受賞し、女性性の問題を扱う演劇の可能性に注目が集まった。

著者: 木村覚

参考文献

  • 『劇場文化〈アメリカ演劇〉歴史と現在』No.9, 「アメリカ演劇と〈女性〉という問題」, 戸谷陽子, SPAC, 2006
  • Acting Out: Feminist Performances, Lynda Hart & Peggy Phelan, Michigan, 1993

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