2019年06月15日号
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フランクフルター・キュッヘ

Frankfurter Küche(独)

1926年、フランクフルト市の公営住宅のために設計された、ドイツで初めての作り付けの台所。20年代後半のドイツでは、前衛建築家たちが新しいモデル住宅・集合住宅の設計に次々に携わっていた。フランクフルト市は、建築家エルンスト・マイに大規模な集合住宅建設の計画を任命した。マイは、オーストリア出身の女性建築家マルガレーテ・シュッテ=リホツキーを招き、共同でフランクフルト・キッチンの開発を行なう。このキッチンは、機能主義の代表的作例とされる。リホツキーは家事労働の行動を分析し、人間工学的な視点から合理的な空間構成をしている。縦長のコンパクトな台所の空間は引き戸によって、隣り合うリビング兼ダイニングルームと分節化された。そして小さな住宅に合わせて、キッチンのレイアウトは最も少ない身体動線で、主婦の労働と時間を合理化・省力化するという課題が追究されていた。これには、アメリカのフレデリック・テイラーによる『科学的管理法』にみられる、より短い時間で効率的な作業を生み出すという考え方が影響していた。フランクフルト・キッチンを始祖とする作り付けのシステム・キッチンは、ヨーロッパ諸国からアメリカ、日本へと広く普及していった。

著者: 竹内有子

参考文献

  • 『世紀末の都市と身体―芸術と空間あるいはユートピアの彼方へ』, 長谷川章, ブリュッケ, 2000
  • 『科学的管理法』, フレデリック・テイラー(上野陽一訳), 産能大学出版部, 1969

参考資料

  • 「フランクフルトの台所 二十世紀のイデオロギーとしての機能主義」 (『それぞれのユートピア 危機の時代と芸術』), 多木浩二, 青土社, 1990

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